AKEBI
(「月刊ぐるっと千葉」2018年5月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「中華そば」。現『AKEBI』における不動の看板メニュー。大量の昆布(羅臼昆布・利尻昆布)、背黒煮干、伊吹イリコからうま味をしぼり取った魚介出汁に、鶏・豚から採った動物系出汁を合わせたスープは、立ち上がる芳香からして、既に別格の様相。静岡の名門『栄醤油醸造』の本醸造濃口を用いたタレのコクも、限りなく深遠。県内屈指の完成度を誇る淡麗系の名品だ。
2018年2月、中心街に移転!! 淡麗・濃厚の二枚看板で目指すは柏の雄
「自分が持つ技術やセンスを活かし切ることが大切。お客様の支持は、その結果として付いてくるものだと思います」と言い切る渡邉店主。
店主は、都内の名店『渡なべ』で腕を磨き、2012年に『AKEBI』を開業。オープン当初は、個性的な創作ラーメンに傾倒していたが、厨房に立ち続ける内に、オーソドックスな1杯にオリジナリティを込める楽しさに気付いたのだという。
現在は、淡麗系の「中華そば」、濃厚系の「豚そば」を提供。両メニューを提供することに決めた理由を尋ねると「それが今の気分でしたから」と豪快に笑った。
〈渡邉英明店主インタビュー〉
田中(以下田):このたびは、新天地への移転、おめでとうございます。『AKEBI』さんがオープンしたのが2012年。開業から6年が経過したわけですが、どうしてこのタイミング(2018年2月)に、移転を決意されたんですか。
渡邉(以下渡):そろそろ、次代を担う作り手を育ててみたいと思ったんです。移転前の店舗は厨房が手狭で、ワンオペにならざるを得なかった。厨房で働いてもらうには、それなりのスペースが必要ですからね。
田:確かに、今の店舗は、以前よりも格段に広く綺麗であるような気がします(笑)。現店舗の看板メニューは「中華そば」ということですが、確か、オープン当初は、ラインナップが今とは全然違いましたよね。
渡:おっしゃるとおり、「中華そば」は2年前に商品化したもの。このたびの移転を機に、それをリニューアルしたのが現行品です。再仕込み生醤油の量を減らす代わりに、魚介の風味をクローズアップしてみました。
田:そうそう、この1杯。出汁から感じ取れる風味が、尋常ではないほど分厚いんです(笑)。ここまで出汁感があるスープは、一都三県全域を探しても、中々見当たりません。ビシッと利いた昆布とイリコの滋味が、五臓六腑に沁みわたります。
渡:そうなんです。今回目指したのは、まさに出汁で食べさせる1杯。特に昆布は、魚介出汁と動物系出汁の双方に投入するなど、使い倒してますよ。
田:なるほど。そう言えば「豚そば」のスープも、良い具合にうま味が凝縮してますね。
渡:「豚そば」は、現店舗からの新メニュー。「骨っぽい豚骨」をテーマに、ゲンコツ・豚頭・豚足を10時間掛けて煮込んでいます。自信作ですよ。
田:豚頭から出る甘みが、絶妙なアクセントになってますね。本日はありがとうございました。
AKEBI
住所 千葉県柏市柏3-6-26
営業時間 11:00~14:30、18:00~22:00(月曜11:00~14:30)
定休日 火曜
駐車場 なし(近隣コインパーキングあり)
お問い合わせ ☎04-7165-7191
リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】