柏王道家《柏市》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

柏王道家《柏市》
(「月刊ぐるっと千葉」2020年2月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「ラーメン」。夥(おびただ)しい分量の豚骨・豚肉・鶏ガラ等の素材を、大量のコラーゲンが抽出されるまでしっかりと炊き上げたスープは、宙を舞う香りでさえ別次元の風格。スープのみならず醤油ダレも熟成させたものを使用する、麺も「このスープに最も合うものを」と自家製にこだわるなど、丼の随所から「家系ラーメン」づくりのオーソリティーとしての矜持がほの見える

まさに家系の中の家系!熟成を徹底的に追求し別次元の高みへ

「スープをどれだけ上手く熟成させられるか。スープの香りをどこまで豊潤にできるか。これこそが、『家系ラーメン』の味を決定付ける最も重要な要素です」。
これらを実現するため、『王道家』では、前日のスープの残りに、当日創ったスープを継ぎ足す「呼び戻し」製法を、創業当初から欠かさず実践。「上質なうま味の基となる『タネ』を大切に育てていくイメージです」と、清水社長は言う。
口にした瞬間、脳からドーパミンが放出され、幸福感で充たされる味。そんな1杯を提供すべく、今日も『王道家』は走り続ける。

〈清水 裕正 社長インタビュー〉
田中(以下田):本日は、「家系ラーメン」づくりのノウハウを熟知した清水社長とお話しすることができ、光栄です。
清水(以下清):いえ、こちらこそ。何なりとお尋ねください。
田:「家系ラーメン」は、ともすれば、濃度の高さや素材の煮込み時間の長さといった指標から語られることが多い。個人的に、このような指標では、家系ラーメンの良し悪しの判断はできないと考えますが、いかがでしょうか。
清:仰るとおり。家系の味の良し悪しを決めるのは、スープがしっかりと熟成しているか。この一点に尽きます。
田:おお、それは初耳です。「熟成」ですか!
清:スープが正しく熟成すれば、スープを湛えた寸胴から豊潤な香りが立ち昇るんです。人は、味覚の前に嗅覚で食べます。「香り」を考慮に入れない「濃度」などといった指標は、意味のないものなんです。
田:確かに、香りや味が良くなければ、どれだけ濃くても何の意味もありませんね(笑)。
清:はい。『王道家』では、正しく熟成させるために「呼び戻し」という製法を採用しています。
田:前日のスープの残りに、当日創ったスープを継ぎ足す製法ですね。
清:創業当初から欠かすことなく続けています。うま味を創り出す基となる「タネ」を育てていくというイメージかな。「タネ」が少しでも残っていれば、熟成の過程でそれを膨らませ、正しいうま味を創り出すことができます。逆に「タネ」がないと、どれだけスープを炊いても、その努力は水泡に帰します。
田:なるほど。食べ手が家系スープの良し悪しを見分ける簡単な方法などはありますか。
清:酢をスープに垂らしてみてください。上質なスープはコクが増して更に美味しくなります。
田:そんな判断方法があるんですね。勉強になりました!

柏王道家

住所 千葉県柏市明原1-7-26

営業時間 11:00~25:00(15:00~15:30は中休み)

定休日 月曜

駐車場 無料(7台)

お問い合わせ04-7140-0078


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