麺屋 真星《浦安市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

麺屋 真星《浦安市》
（「月刊ぐるっと千葉」2020年4月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「真星らーめん」。出汁を採る際には、素材(鶏)を炊き込む時間はもちろん、濃度計を駆使して状態の安定を図るこだわりよう。カエシに浦安の名物・アサリを採用する等、地元の味覚に寄り添う姿勢にも好感が持てる

鶏・アサリ・昆布が奏でるうま味のシンフォニーは、店主の努力の結晶

「私は、生まれも育ちも浦安。これまでお世話になった地元に恩返しがしたい。なので、自店を構えるのなら浦安でと決めていました」。
そう言って笑う安田店主は、サラリーマンからの転身組。会社勤めの傍ら、休日や業務終了後の時間を捻出し、本八幡の名店『魂麺』でラーメン作りを勉強。さらに、会社仕事との掛け持ちで不足しがちな経験値を、試作を重ねたり、積極的に勉強会へと参加することで補っていった努力の人だ。
現在、『真星』が提供する麺メニューは「真星らーめん」「味噌真星」など５種類。基本メニューは「真星らーめん」。鶏だけから採った出汁と、アサリ・昆布のエキスを豊富に含んだカエシを、絶妙な塩梅で掛け合わせたスープは、重厚な鶏のうま味と芳醇な海産物の滋味とが、各々、舌上で存在感を毅然と示す逸品。麺も、歯切れやのど越しにまで拘りたいと自家製を貫く。
「型にはまらず、今後とも良いアイデアは積極的に採用したい」と言う。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。つい、そんな諺が脳裏に浮かんだ。