らーめん 木尾田《市川市》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

らーめん 木尾田《市川市》
(「月刊ぐるっと千葉」2022年6月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「特製らーめん太麺(並200g)」。同店不動の看板メニュー。豚ゲンコツ&背ガラ、鶏ガラ、魚介素材(煮干し、鯖節等)の順に寸胴へと投入し、それぞれの素材本来のうま味を余すところなく引き出したスープは、店主曰く「食べ手の舌の上で、各種素材のうま味を一体化させることを目指した」もの。心身を癒やす優しい味わいに、「豚骨魚介」というジャンルの奥深さをまざまざと実感

自身が好きなラーメンを実直に提供。創業当初からブレない方向性

「好きなラーメンは豚骨魚介。お客さんにも、その魅力を存分に味わってほしい」。そんな思いを胸に秘め、梶畑店主が同店を開業したのは2008年12月のこと。
それから13年余り。同店が提供する麺メニューは、未だに動物系と魚介のMIXスープを用いたラーメンとつけ麺だけだ。
スープは、豚骨と鶏ガラを寸胴に投入した後、7種の魚介素材を加えて丁寧に炊いたもの。「これからも、この店では豚骨魚介だけを作り続けていきたい」。強い信念が宿る味は人の心を打つ。店主の味を求め、今でも訪れる客が途切れない人気ぶりだ。

〈梶畑 尚毅 店主インタビュー〉
田中(以下田):お会いするのは10数年ぶりですね。早速、お尋ねします。『木尾田』のラーメンは、2008年の開業当初から、レギュラーメニューでは、動物&魚介ベースの「らーめん」と「つけめん」だけですよね。この13年の間に味の変化等はあったのでしょうか。
梶畑(以下梶):オープン当初は、自分が思い描く味の理想と創るラーメンの味との間に開きがあり、試行錯誤の日々が続きました。ですが、開業から数年が経過した頃から、ある程度納得できる味が出せるようになりました。それから後は、味の軸は変えていません。
田:もう一点。今は、淡麗系をはじめ、ラーメンのバリエーションは、『木尾田』の創業当時と較べて格段に豊かになりました。そんな状況下でも、動物&魚介系ラーメンの提供にこだわり続けているのはなぜですか。
梶:私が一番好きなラーメンが、豚骨魚介系だからです。この店を出す前に、色々な豚骨魚介ラーメンを食べ歩きましたが、豚骨魚介ラーメンも味は区々です。個人的には、『吉左右』(木場)や『はやし』(渋谷)のような、食べたときに、一体感のあるうま味が感じられる1杯が好きです。
田:ああ、確かに言われてみれば、それらのお店のラーメンに似ていますね! 複数の素材の滋味が、舌上でピタリと一体化。堪りませんね。
梶:ありがとうございます。うま味調味料・油・塩分を出来る限り抑え、「個」でうま味を主張する魚粉は使わない。出汁でうま味を表現する。その点には拘っています。
田:味が優しいのは、そういう拘りのたまものなのですね。最後に、今後の抱負等があればお聞かせください。
梶:スタッフなど、私が関わる人達の人生の後押しをしていきたいと考えています。自分は13年間好きなようにやらせてもらいました。これからは、自分の経験を他の人に分け与えていきたいです。
田:ありがとうございました。

らーめん 木尾田

住所 千葉県市川市八幡2-12-8

営業時間 11:30~15:00、18:00~23:00(土日祝は11:30~15:00) ※スープ終了次第閉店

定休日 火曜

駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)

お問い合わせ047-332-6850


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