中華そば まるき《松戸市》
(「月刊ぐるっと千葉」2024年3月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「中華そば(中)」。スープは、片口イワシ&マイワシの煮干し、サバ節等の魚介に加え、豚ゲンコツと豚すね肉を大量に使用。新鮮なイワシを頭から内臓に至るまで徹底活用することで、重層的で奥行きのあるうま味を創り出すことに成功している。カメリアラード・豚の脂・煮干し油の3種の油を駆使することで生み出される芳しい香りも、スープの魅力を際立たせる名触媒だ
20年超にわたり松戸に君臨するレジェンド! 唯一無二、孤高の名杯
「開業当初からブレずに自分の味を紡ぎ続けています。有難いことに、創業から20余年が経ち、長く通い続けてくれているお客さんも大勢います。そんな皆様の気持ちに応え、これからも変わらず、この味を提供していくつもりです」と語る髙橋店主。
厨房には、素材のうま味が循環し高い保温効果を誇る巨大な羽釜を設置。そんな羽釜を用いて作るスープは、煮干しのみならず、豚ゲンコツ、豚すね肉等の動物系素材の息吹も脈々と息づく、レンゲを持つ手が止められない味わい。
激戦区松戸のレジェンドに相応しい孤高の名杯だ。
〈髙橋 正文 店主インタビュー〉
田中(以下田):よろしくお願いします。高橋店主には、前々からいつかインタビューさせていただきたいと思っていました。この度ようやく夢が叶い嬉しい限りです。
髙橋(以下髙):ありがとうございます。
田:『まるき』の中華そばは、煮干しを前面へと押し出した修業先(『大勝』)や、その大元である都内の名店『永福町大勝軒』とは異なり、動物系素材の存在感をガツンと打ち出した、奥行きと厚みを感じるスープが特長だと考えています。私は、舌の上で煮干しと豚のうま味が激しくせめぎ合うこの味が大好きなのですが、このようなスープを作ろうと考えたキッカケなどがあれば教えてください。
髙:煮干し出汁だけではやや物足りないと感じたのです。何か動物系素材を加えてうま味を補強しようとしたときに思い付いたのが、豚のゲンコツとすね肉です。
田:鶏は一切使っていないんですか!
髙:はい。よく間違われますが、使っている動物系素材は豚だけです(笑)。
田:油からも非常に複雑玄妙な風味を感じます。『永福町大勝軒』系で用いられるラードだけじゃないですよね、これ。
髙:はい。カメリアラードに加えて、豚の脂と煮干し油を使っています。羽釜に煮干し油を加えてスープと一緒に炊くと、味が格段に良くなるんですよ。
田:まさにプロの技ですね。この20余年の間に、松戸という地域性に合わせて味を変えたりはされたのでしょうか。
髙:いえ。周りの意見に左右されず、作りたい味を作り続けています。おかげさまで創業から20年以上が経過し、長く通ってくれる常連さんも増えました。これからも、常連さんの期待を裏切らない1杯を作り続けていきたいですね。
田:最後に。私、『まるき』の「チャーハン」も大好きです!
髙:ありがとうございます。「チャーハン」は好評で、過半数のお客さんが「中華そば」と「チャーハン」のセットを注文されますね。
田:その気持ち、よく分かります!(笑)
中華そば まるき
住所 千葉県松戸市小根本51-2
営業時間 11:00〜14:30(LO14:15)、18:00〜21:30(LO21:15)
定休日 火・水曜
駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
お問い合わせ ☎047-331-0787
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