らあめん clover
(「月刊ぐるっと千葉」2017年9月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「塩らあめん」。鶏ガラ・手羽・丸鶏・モミジをじっくりと煮込んだ「鶏スープ」と、昆布・宗田節・サバ節・鰹節などのうま味の粋を搾り取った「魚介スープ」を、3:7の割合で提供直前に合わせる「Wスープ」の手法を採用。食べ手の味覚に少しでも馴染むようにと、タレに千葉県九十九里産の塩、麺に千葉県産小麦を用いるなど、店主の視線は常に地元を見据える。
鶏と魚介。2種類の スープで、全ての 食べ手を“幸腹感”で 包み込む!
2010年、成田の地で『clover』を開業した店主。それから7年の歳月が経過。同店は、誰もが認める県内有数の人気店に成長を遂げた。 鶏スープと魚介スープを作り分け、メニューに応じてブレンドするスープの比率を縦横無尽に変化させる。「醤油らあめん」は、舌上で一羽の鶏が飛び回るかのように躍動的な滋味を誇る鶏スープが、鮮烈な記憶を刻印。「塩らあめん」は、五臓六腑に染みわたる魚介スープの和味が鶏スープにつづらに折り重なり、喉元に甘美な余韻を描き出す。いずれも、食べ手を幸腹感で包み込む珠玉の名杯だ。
〈店主:藤岡 敬大氏にインタビュー〉
田中:いやあ、この企画のトップバッターが藤岡さんで嬉しいです。
藤岡:こちらこそ、ありがとうございます。
田中:藤岡さんは元々、ラーメン食べ歩きを趣味とするラーメンマニアですよね。しかも、コアな(笑)。
藤岡:関東の有名店には大体足を運びましたよ。その後、作り手を志し、東京の『斑鳩』で修業。2010年に開業したわけです。
田中:『斑鳩』は、都内でも指折りの実力店ですね。
藤岡:修業先からは、ラーメンづくりのノウハウはもちろん、ラーメンとの向き合い方を徹底的に教わりました。
田中:「今日は今日、明日は明日でベストを尽くせ」ですね。真摯にラーメンと向き合うことで、気付きがあり前に進むことができる。今回、数年ぶりに藤岡さんが創るラーメンをいただいて驚きました。確実に進化している!
藤岡:初めは、鶏ガラと水だけでスープを採ってました。お客さんの反応を素直に受け止めながら、そこから味を変えていったんです。鶏スープに手を加え、魚介スープを作った。今では、別の寸胴で2種類のスープを作り、丼に注ぐ直前にブレンドしています。
田中:以前の味はマニア向け、今の味は「スタンダードな中に個性がキラリ」といった印象ですね。
藤岡:マニアではなく地元・千葉がこの店を支えてくれていると確信したんです。地元の方々に足を運んでもらえるスタンダードな味を創ることが大前提。そこに、少しばかり私自身の個性を加えることができれば、もうそれ以上望むものはありません(笑)。
田中:「醤油」と「塩」とでブレンドするスープの割合を変えていることにも、理由があるんですか。
藤岡:「塩」は鶏:魚介を3:7、「醤油」は鶏:魚介を9:1の割合でブレンドしていますが、お客さんに色々な味を楽しんでいただこうと思いまして。
田中:そこまで考えているんですか。脱帽です!
らあめん clover
住所 千葉県成田市花崎町766-2
営業時間 11:30~14:00、18:00~22:30(スープ終了次第閉店)
日曜:11:30~15:00(スープ終了次第閉店)
定休日 水曜(祝日の場合営業)
駐車場 無料(6台) ※共用
お問い合わせ ☎0476-22-9683
リンク
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