房州 華乃蔵(南房総市)|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

房州 華乃蔵
(「月刊ぐるっと千葉」2018年4月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「らーめんしお」。「ウチのラーメンは出汁が命」と言い切る、店主の真骨頂が堪能できる人気メニュー。沸騰させないようカツオ節・サバ節・宗田節を丁寧に炊いた出汁は、際限なく湧き上がる滋味が、その言葉の真実性を裏付ける。タレには、アンデスの岩塩(ピンクソルト)と甘み豊かな白醤油を採用。全粒粉麺の華やかな香りも、スープの出汁感を際立たせる役割を好演。

創業20年を超えてもなお、攻めの姿勢。絶えず前を向く気概に脱帽

「その時々で納得できる味を追求し、新しい味で顧客を開拓する。そんな攻めの姿勢を忘れてはいけないと思うんです」。
そう語る大澤松久店主は、1995年に同店を創業し、以降、現在に至るまで千葉のラーメンシーンを牽引し続けてきた重鎮。屋号の『房州』の2文字は、同地で生まれ育った店主が、故郷へのリスペクトを込めて掲げたもの。地元の人たちが愛する 「節」 を駆使したスープは、五臓六腑の細胞を癒やす豊潤で深遠な味わい。その滋味深さは、数多くのラーメンを食べてきたマニアにすら、他に比類なしと言わしめる程だ。

〈大澤松久店主インタビュー〉
田中(以下田):本日はよろしくお願いします。大澤店主と対談する機会を得て、最初にお尋ねしたいと思ったのが店名の由来です。『華乃蔵』って素敵な屋号ですね。どのような想いを込めて命名されたんですか。
大澤(以下大):『華乃蔵』は、開業当初、喜多方ラーメンを出していたんですよ。喜多方が「蔵の町」だということで、屋号に「蔵」の字を付けたんです。
田:そうだったんですね! でも、現在こちらで提供されているラーメンは、節がガツンと利いています。他方、喜多方ラーメンのスープは、豚・鶏を立てる場合が多い。20余年の歳月で別物へと進化したということでしょうか。
大:そのとおりです(笑)。房州はサバの産地。地元の人たちも、サバ節等の節系素材に目がないんです。地元の味覚に寄り添うために手を加えていった結果、バリバリの節系ラーメンになりました。
田:私からすれば、『華乃蔵』さんのラーメンは、千葉を代表する魚介清湯系の傑作といった印象ですよ(笑)。
大:お客さんの要望に応えることと、自分自身が納得できる味を追求すること。この2つの課題を、折り合いを付けながらクリアしていくことこそが、職人の醍醐味でしょう。片方だけじゃダメ。例えば、今、鶏白湯ラーメンを開発しているんです。創ろうと思ったのは、自分が創りたくなったからなんですが、開発の過程では、お客さんの意見を採り入れてます。
田:なるほど。絶えず前進し続ける真摯な姿勢が、多くのファンから支持される秘訣だと感じました。
大:もっと多くのお客さんがお店へと足を運んでくれるよう、これからも、ガンガン攻め続けていきたいと思います。
田:そのバイタリティ、私も見習いたいです!本日は、ありがとうございました。

房州 華乃蔵(はなのくら)

住所 千葉県南房総市千倉町白子2713-2

営業時間 11:00~14:00

定休日 月曜(祝日の場合翌日休)

駐車場 無料(10台)

お問い合わせ ☎0470-44-4075


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