魂麺
(「月刊ぐるっと千葉」2018年7月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「魂の中華そば(醤油)」。香り高い焼きアゴをふんだんに用いた出汁に、静岡『栄醤油』の濃口をはじめ、5種類の醤油をブレンドしたタレを合わせたスープは、舌上で拡がる上質な甘みが食べ手に鮮烈な印象を刻印。麺は、修業先である『13湯麺』直伝の自家製。茹でる前に丹念に手で揉む太麺は、超多加水。モッチリした食感とツルンと滑らかな麺肌を兼ね備えた絶品中の絶品だ
これぞ山西店主の本気! 新登場の「魂の中華そば」は清湯系の白眉
故郷・長崎の焼きアゴの魅力を徹底的に引き出し、最高の形で食べ手に提供したい。今般、看板メニューとなった「魂の中華そば」について、店主は「自分が食べたいと思ったものを形にしただけ」と笑うが、背後にそんな真摯な想いが秘められていることがひしひしと伝わってくる。
出汁は、平戸の焼きアゴを軸に、瀬戸内のイリコ・鹿児島の宗田節・福島の川俣シャモ等を掛け合わせたもの。「うま味を構成するアミノ酸の特性を理解していれば、最適なバランスは自ずと分かります」。千葉の牽引者に相応しい頼もしい言葉だ。
〈山西一成店主インタビュー〉
田中(以下田):本日はよろしくお願いします。この度、「魂の中華そば」が看板メニューになりました。スープが透き通った清湯は全くの新機軸ですが、どうしてこのタイミングで新メニューを出そうと考えたんですか。
山西(以下山):平戸の焼きアゴを使ってラーメンを創ってみたかったんです。私の故郷は長崎で、新鮮なアゴが入手できますから。また『魂麺』は今、私が厨房に立っています。せっかく厨房に立つのなら、自分自身が食べたいと思えるラーメンを作らないと楽しくないですから(笑)。
田:山西さんらしい動機ですね(笑)。今回、新たな味を開発するに当たって心掛けた点はありますか。
山:歳月の経過に耐えられるスタンダードな味を目指そうと思いました。奇抜な味は面白いけど飽きられるのも早い。
田:なるほど。タレに5種類もの醤油を使っていますが、醤油の配合割合などにこだわりはあるんですか。
山:当然です。例えば、佐賀の『丸秀醤油』は薄口、静岡の『栄醤油』と埼玉の『弓削多醤油』は濃口を使っていますが、それぞれの醤油の特性を理解し咀嚼した上で、掛け合わせる割合を決めています。出汁も同じ。グルタミン酸が7~8割、イノシン酸が2~3割。これが山西の味です。
田:凄い!科学的・論理的にラーメンの味を考えるということですね。
山:『13湯麺』の松井師匠から徹底的に教わりましたよ(笑)。味が良くても偶然では意味がない。しっかりと構造を理解した上で味づくりをしないと。
田:汁なしの「油っ魂」も面白い1杯ですね。
山:はい、こちらは一転、魚介系OFFです。イメージはネギ塩牛タン(笑)。
田:こちらに伺うと、いろいろなメニューが食べたくなって、胃袋がいくつあっても足りません。ありがとうございました!
魂麺(こんめん)
住所 千葉県市川市南八幡3-6-17-105
営業時間 11:30~14:00、18:00~23:00(日曜祝日の夜は~21:00)
定休日 木曜
駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
お問い合わせ ☎047-370-5300
リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】