【閉店】しびから屋《船橋市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

しびから屋《船橋市》
（「月刊ぐるっと千葉」2019年6月号掲載）

※こちらのお店は閉店しました。

汁なし坦々麺。「汁なし担々麺」を構成する必要不可欠な要素だけを選りすぐり具現化させた、店主渾身の１杯。合わせる太麺は、千葉・市川『㈲早川製麺』製。モッチリとした食感に、箸を持つ手が止まらない。

唐辛子の辛みと花山椒の痺れ。両者の競演が楽しめる極上担々麺を是非

「千葉では、花山椒に由来する『麻』の辛みが十分には認知されていません。私は、舌がピリッと痺れる辛みが好きで、この魅力を千葉の皆様にも味わってほしいと考えました。これが、同店をオープンさせた理由です」。そう語る小沼店主は、都内で担々麺専門の人気店を立ち上げた経験を有する実力派。 　『しびから屋』は、本年２月に開業したばかり。三種の麺メニューを手掛けるが、特にオススメなのが「汁無し担々麺」だ。食べ手の身体に優しい素材を用いようと、タレに用いるゴマは無添加。それだけではない。汁なし担々麺の定番アイテム（エビ、カイワレ等）を採用せず、唐辛子だけで自家製ラー油を創るなど、構成要素を厳選。 「この１杯が、私が考える汁なし担々麺の基本形です。余分な要素を徹底的に除き、山椒の持ち味を強調しました」。火のような唐辛子の辛みと電流のような山椒の痺れ。双方がここまでストレートに堪能できる１杯は、関東全域を見渡しても中々ない。店主のこだわりの結晶と呼ぶに相応しい傑作だ。