煮干しだし醤油ラーメン 桂《我孫子市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

煮干しだし醤油ラーメン 桂《我孫子市》
（「月刊ぐるっと千葉」2019年8月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

ラーメン（中）。煮干し出汁もうま味の粋を的確に切り出した逸品だが、醤油ダレも会心の出来映え。カドを立たせぬよう３種類の醤油を絶妙な配合でブレンド。醤油を寝かせ発酵させることで深みのある味わいを演出

目指すは千葉の『永福町大勝軒』。 全盛期の『大勝』の味の再現に邁進

「私がラーメン職人として厨房に立てているのは、『大勝（柏市）』に出逢えたから。初めて『大勝』のラーメンを食べたときには、衝撃で震えましたね。この世にこんなに美味いラーメンがあるのかと」と笑う店主。 元々、同氏はレストランの料理人を務めていたが、『大勝』の１杯に感銘を受け同店に弟子入り。「途中、兄弟子が店主を務める『中華そばまるき（松戸市）』で働いたこともありますが、『大勝』には10年以上お世話になりました。都内を代表するラーメンの名門『永福町大勝軒』と、その味を千葉に持ち込んだ『大勝』。私にとって、この２軒はレジェンド。日々鍛錬を積み、両店の味に近付くことができれば」。 　スープを舌上で転がせば、平子など数種類の煮干しをブレンドした出汁の芳香が鼻腔に充満。キレとコクを兼ね備えた醤油ダレも、煮干しの滋養味を一層際立たせる役割を全うしている。あらゆるうま味が収まるべきところに収まり、寸分の破綻もない。オープン早々にして圧倒的な存在感を醸し出す、規格外の新星だ。