麺や 木蓮《鎌ケ谷市》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

麺や 木蓮《鎌ケ谷市》
(「月刊ぐるっと千葉」2020年5月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「半熟味玉豚そば(さらり・油多め)」。肉を排し豚骨のみを用いて作るスープは、8、9時間強火で炊いた後、更に3、4日かけて熟成させ、うま味を馴染ませるこだわりよう。そのスープに、香ばしいラード油&カリッと揚げた背脂を加え、口に入れた刹那、脳内からドーパミンが噴出する至福の味わいを演出している。名門製麺所『大成食品』と共に開発したストレート麺の啜り心地も極上だ

純豚骨スープに人生を賭ける店主。年々進化する1杯の底力を見よ!

「豚という素材の魅力の虜となり、2010年の開業以来、ひたすら純豚骨スープを作り続けてきました。試行錯誤を繰り返し、現在の味に行き着いたのはごく最近。1年前のことですよ」と、笑う荒井店主。
ゲンコツ・豚足・豚頭・豚背ガラ。豚を構成するすべての部位を総動員して創り上げるスープは、そのうま味の殆どが髄に由来するもの。
4年前から、日々の営業で残ったスープを捨てずに継ぎ足す「呼び戻し」の手法を導入。膨大な手間ひまをかけた1杯は、今や、豚骨の聖地・久留米の名店と比肩する程の完成度の高さを誇る。

〈荒井 清一店主 インタビュー〉
田中(以下田):先日は「豚そば」の「クリーミー」、今回は「さらり」をいただきました。箸が立つほどスープが濃厚な「クリーミー」と、香ばしいラード油とのコラボで魅せる「さらり」。それぞれ、他に代えがたい魅力がありますね。
荒井(以下荒):現在、3種類(さらり・背脂浮ぶ・クリーミー)のスープを作っていますが、各々について胃袋に刺さるポイントを作ろうと、試行錯誤を重ねました。今年で、この店の開業から10年が経ちますが、現在の提供スタイルが確立したのは、昨年12月。最近の話です(笑)。
田:大変な苦労をされたんですね! その中でも最も大変だった点は?
荒:スープの味をベストな状態で安定させることですね(笑)。そもそも、素材(豚)には個体差があります。個体によって出汁の採れ方も全然違う。開業から数年間は、その日に作ったスープをその日の内に使い切っていましたが、仕入れた豚が「当たり」なら良いんですが、そうでなければ…。
田:悲惨なことになるわけですね。日によって味がブレますし。
荒:はい。それで4年前、日々作ったスープを残して継ぎ足す「呼び戻し」方式の採用に踏み切りました。あとは熟成ですね。スープを数日寝かせて、うま味を落ち着かせる。これで味が格段に安定しましたよ。
田:なるほど。ところでおススメの豚骨ラーメンの食べ方がありましたら、教えて下さい。
荒:卓上トッピングを使わずに召し上がる方がいますが、それはもったいない! 個人的には、トッピングをガンガン使って、好みの味を探してもらいたいですね。
田:これは意外なご回答! こだわって作られているから、なるべく味を変えてほしくないのではと思い込んでいました(笑)。
荒:ニンニクや高菜は、豚骨スープにめちゃ合いますよ! むしろ、絶極的におススメしたいくらいです。
田:おお、私も、早速試してみますよ!

麺や 木蓮

住所 千葉県鎌ケ谷市初富30-17

営業時間 11:30~14:25、18:00~20:40(スープ終了次第閉店)

定休日 水曜

駐車場 無料(10台)

お問い合わせ047-704-9085


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