千葉房総 麺のマルタイ《木更津市》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

千葉房総 麺のマルタイ《木更津市》
(「月刊ぐるっと千葉」2020年11月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「比内地鶏の煮干らぁめん」。2種類の煮干し、昆布、椎茸に、名古屋コーチンの丸鶏と比内地鶏のガラを合わせ、煮干しのうま味・香りと動物系のコクを華麗にハーモナイズさせたスープは、喉元を通過する刹那、どことなく懐かしさを覚える素朴な味わいが魅力。「ラーメンは、肩肘を張らずに食べられる大衆食であってほしい」という店主の想いが、味蕾を通じて伝わってくる逸品

ラーメンは人と人をつなぐ鎹(かすがい)!目指すは、温もりが感じられる1杯

アンテナを高くして情報を探り、有益だと感じたことは直ちに実践する。自分は無から有を生み出すタイプではないと謙遜する太田和店主が心掛けてきたことは、その一点に尽きる。
そんな同氏が目指すのは、『マルタイ』をお客さんと自身のコミュニケーションの場とすること。「さらに、自分らしい1杯が提供できれば、これ以上望むものはないです」と笑う。
提供されるラーメンは、啜るとホッと肩の力が抜ける、作り手の体温が感じられる味わい。ギスギスとした世の中、必要とされているのはこんな1杯なのかもしれない。

〈太田和 優 店主インタビュー〉
田中(以下田):お久しぶりです!どうですか、調子は。
太田和:(以下太):楽しく営業させてもらってます (笑)。自分がお客さんに出したいラーメンを提供できる場所として『マルタイ』を開業しましたが、今のところ大満足です。
田:カウンター上に7種類の油が置いてありますね。これは一体、どういう経緯でこんなことに?
太:常連客からの要望に次々と応えていったら、いつの間にか増えてました (笑)。私は、自分が美味しいと感じる1杯を出すだけ。お客さんが自分好みの味に仕立てて、喜ぶ顔を見るのが、好きなんです(笑)。
田:太田和さんが、静謐な空間で洗練されたラーメンを出したいと考える人でないことは知ってます(笑)。
太:たまに、食べる前からスープに胡椒を振り掛けるお客さんを目撃することがありますが、それは流石に「せめて、元のスープを少しでも飲んでから胡椒を入れて!」って思いますけどね、心の中で(笑)。
田:確かにそれはダメージが大きそう(笑)。ちなみに太田和さんは、どうやって味の改善を図っているんですか。
太:私は、このスープにこの素材を足したらどう味が変わるかといったことが、頭の中だけで判る天才肌ではありません。だから、『マルタイ』以外のお店のラーメンを数多く食べることで経験値を得、これは良さそうと感じたアイデアや技法があれば、実際に試すことにしています。その積み重ねですね。
田:案外、実際に試すのが一番の近道だったりしますよね。
太:「比内地鶏の煮干らぁめん」も、初期の頃と比べれば、まるで別物ですよ。煮干しのうま味をまろやかにするため、あえて昆布や椎茸を加えたり。理想は、田舎の素朴なラーメンを少し洗練させた感じでしょうか。
田:技量の高さがさりげなく垣間見える感じですよね。こういう感じ、私も大好きです! ごちそうさまでした。

千葉房総 麺のマルタイ

住所 千葉県木更津市東太田1-9-30

営業時間 11:00~15:00、18:00~21:00

定休日 日曜

駐車場 無料(20台)

お問い合わせ0438-98-4404


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