らぁめん屋 うどす《東金市》
(「月刊ぐるっと千葉」2021年3月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「東京背脂醤油特製らぁめん」。塩味が味蕾を突き抜け、鶏の芳香がそよぐ「序盤」、醤油ダレのうま味が徐々に頭をもたげる「中盤」、煮干しの滋味と香味野菜の甘みがクロスオーバーする「終盤」と、食べ手が丼と向かい合う5分間にストーリー性を持たせた名杯。「背脂スープは一瞬たりとも目が離せない生き物」と語る店主の試行錯誤の集大成が、この1杯。じっくりと堪能したい
職人人生を背脂醤油に捧げた店主!入魂の1杯をとくとご堪能あれ
背脂醤油ラーメンが大好きで、数々の名店で「背脂醤油」を食してきた須藤店主。そんな同氏が、千葉の実力店『福たけ』の1杯と出逢い一目惚れ。5年間かけて同店でみっちりと腕を磨き、2015年、晴れて一国一城の主となった。
看板メニューは「東京背脂醤油らぁめん」。
「お客さんに喜んでもらえる味を提供したい」と、重くない味が好まれる東金の地域性を看破し、スープの素材に鶏を多用する等のオリジナリティを付与。序盤、中盤、終盤で刻々と食味が移ろう1杯は、まるで名小説のようにストーリー性豊かなものだった。
〈須藤 和彦 店主インタビュー〉
田中(以下田):須藤さんとは、一度じっくりとラーメン談義をしたいと思っていました! 本日いただいた「東京背脂醤油らぁめん」ですが、スープが驚くほどスッキリしていて、気が付けば丼を空けてしまっていました。前回(2016年)お伺いした時よりも、遙かにグレードアップしていますね(笑)。
須藤(以下須):ありがとうございます。この店がある東金周辺の住民は年配の方も多く、サッパリとしたスープが好まれます。そんな土地柄に合わせ、豚骨の比重を下げ、鶏ガラの比重を上げています。
田:なるほど、鶏の滋味をフィーチャーした構成ですね。戴いた時に感じたのですが、鶏以外の素材のうま味も詰め込んでますか、このスープ?(笑)
須:はい。序盤、中盤、終盤、それぞれの局面でうま味の主役が交替するような仕上がりにしています。ラーメンを食べる5分間で、ラーメンにストーリーを感じてもらいたいなと思って。
田:「5分で紡ぐ物語」ですね。幾種類ものうま味が輻輳する分厚いスープに、頬が落ちそうになりました。これだと卓上調味料の出番はありませんね(笑)。
須:ありがとうございます。
田:背脂スープって奥深いものですね! 改めて実感しました。
須:はい、背脂スープの世界は本当にディープ。毎日作っても、未だに正解が見付かりません。炊く際の火加減やスープを補充するタイミングが少しズレるだけで、スープの出来はガラリと変わります。同じ日に提供するラーメンでも、時間帯によって味はブレますしね。
田:『うどす』の「背脂醤油」にも、一番美味しくなる時間帯があるんですか。
須:もちろんです。14時から16時までの1杯がオススメですね!
田:次回は、その時間帯を狙って食べてみます。ありがとうございました。
らぁめん屋 うどす
住所 千葉県東金市台方932-1
営業時間 11:30~22:00
定休日 月曜
駐車場 無料(20台)
お問い合わせ ☎043-356-4566
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