どろそば屋 ひろし《習志野市》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

どろそば屋 ひろし《習志野市》
(「月刊ぐるっと千葉」2021年5月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「豚つけそば」。スープに用いる魚介素材は煮干しのみ。これに鰹の魚粉を合わせることで、口内で煮干しと鰹がせめぎ合う動的な味わいの構築に成功。自家製麺は、小麦本来の香りを最大限活かすため、かん水量を極限まで低減させている

漂う貫禄と安定感!毎日食べても飽きない濃厚系の名杯

同店のオープンは、2011年9月。県内屈指のラーメン激戦区・京成大久保において10年近くもの間第一線に立ち続けてこられたのは、日々研究と改善を怠らない店主の真摯な姿勢が、1杯の味に遍く投影されているからだ。
汁そば、つけ麺ともに複数のメニューを用意するが、中でもお薦めなのが「豚つけそば」。豚骨を13時間、鶏ガラを9時間炊き上げ、煮干しの滋味を折り重ねたスープは、『どろそば』の屋号に恥じないガツン度の高さ。「このスープに最適な麺を」と自家製で作る麺も、麺肌を荒らさぬよう茹で湯の状態にまで気を配るこだわりよう。

〈川島 弘 店主インタビュー〉
田中(以下田):ご無沙汰しています。以前、一度「豚そば」を戴きましたが、汁そばもつけ麺も、当時と較べて随分変わりましたか。当時も十分ハイレベルだと感じましたが。
川島(以下川):はい。特に、以前用いていたうま味調味料の使用を止めたことが、最も大きな変化ですね。
田:え、このガツン度の高いスープを調味料なしで作られているんですか! 天然素材だけでこれを作るのは、並大抵のことじゃないと思うんですが。
川:はい。なので、段階的に少しずつ調味料の量を減らし、その都度、手間ひまを掛けて味を調えていきました。常連さんにも、味の変化に気付く人はいませんでしたよ(笑)。
田:凄い! それにしても、調味料を使わずにここまで引きの強い味が出せるとは、驚きです。
川:代わりに、鶏と豚からうま味・コク・香りを最大限引き出すべく、力を尽くしました。ただ、これも「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、ただ長時間炊けば良いというものでもない。炊き過ぎると臭いが出てしまうので、試行錯誤した結果、豚13時間、鶏9時間炊きに落ち着きました。
田:なるほど。あと、麺がモッチリしていて非常に香り豊かだと感じたんですが、何か工夫されているんでしょうか。
川:使用するかん水の割合を極限まで減らしました。割合は、通常の半分以下の0.5%です。
田:割合が高いと、かん水の臭いが気になりますからね。
川:0.7%を超えると、どうしても臭いが出ますね。
田:麺の茹で時間、茹で方にも気を配られているんですか。
川:はい。麺肌を傷めないよう、あまり気泡が出ていない場所を選んで、13、4分掛けてじっくりと茹でています。
田:これらの努力の集大成がこの1杯なんですね。ごちそうさまでした!

どろそば屋 ひろし

住所 千葉県習志野市大久保3-12-5

営業時間 11:00~15:00、17:00~21:00

定休日 日曜

駐車場 無料(2台)

お問い合わせ047-473-5551


リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】