武蔵家西千葉(裏武蔵家)《千葉市中央区》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

武蔵家西千葉(裏武蔵家)《千葉市中央区》
(「月刊ぐるっと千葉」2021年9月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「国産三元豚もも肉3枚 裏むさチャーシューもも」。口内で肉のうま味が溢れ返るスープは、50以上の醤油から厳選した山形県産醤油の後押しも相まって、レンゲを持つ手が止まらない味わい。鶏油に香り華やかな牛脂を溶かし込むなど、経験に裏打ちされたギミックもキラリ

採算度外視で紡ぎ出す「裏むさ」は、横浜家系の到達点

「西千葉・稲毛エリアのラーメンシーンを語るに当たり、絶対に外せない実力店」。
『武蔵家西千葉』の位置付けについて、この見解に異論を差し挟む人は皆無に近いだろう。
ご存じの方も少なくないと思うが、『武蔵家』は新中野に本店を構え、都内を中心に数十店舗を擁する横浜家系ラーメンの一大勢力。『武蔵家西千葉』は、そんな『武蔵家』の店舗の中で、唯一、屋号を残したまま独立を果たしたエポックメイキングな1軒。「裏むさ」は、そんな同店が満を持して世に放つ、店主の拘りの集大成。うま味コクともに桁外れ。横浜家系の到達点だ。

〈斎藤 佳太 店主インタビュー〉
田中(以下田):『武蔵家西千葉』には何度かお伺いしましたが、お言葉を交わすのは初めてですね。お尋ねしたいことは多々ありますが、まずは、このお店の位置付けから教えてください。
斎藤(以下斎):はい。史上初、『武蔵家』のオーナーから店舗を買い取る形で独立させていただきました。私は、24歳の時にアルバイトで『武蔵家』に入り、その後、十数年にわたる職人人生を『武蔵家』ひと筋で過ごしてきました。私にラーメン作りの楽しさを教えてくれたのは『武蔵家』。なので、2019年9月に独立した後もこの屋号を使わせていただけたことには、感謝しかありません。
田:今回私がいただいた「裏むさ」は、独立後からのメニューなんですか。
斎:はい。独立前も裏メニューとして提供していましたが、正式に商品化したのは、独立後ですね。「裏むさ」の「裏」は、このメニューが裏メニューだったことによるものです。
田:なるほど。それにしても、このスープの肉々しさ! 尋常じゃありませんね。カエシのパンチ力も強烈で、鶏油の風味の分厚さもケタ違い。ここまで作り手のこだわりが詰まった家系をいただいたのも久しぶりです。本当に手間ひまが掛かっていますね。
斎:数年来の常連さんで、元々の『武蔵家』のラーメンをお求めになる方も大勢いらっしゃいます。なので、ベースのスープはそのラーメンにも対応できるものにしておく必要があります。その枠の中で、どこまで自分らしい家系を紡ぎ出せるのか。そんな命題に挑戦した1杯が、この「裏むさ」です。
田:麺も、スープに負けず劣らず、素晴らしいですね。家系ご用達の『酒井製麺』。太めで尺(麺長)が短いのが「分かっている」という感じですね。
斎:ありがとうございます。まだまだ進化の途中ですので、ぜひまた食べに来てください!

武蔵家西千葉(裏武蔵家)

住所 千葉県千葉市中央区春日2-19-9

営業時間 11:00〜24:00

定休日 無休

駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)

お問い合わせ043-238-6544


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