一条流 がんこ十一代目《市川市》
(「月刊ぐるっと千葉」2021年11月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「正油中間」。牛・豚・地鶏等の動物系素材と、昆布・煮干し等の魚介素材とを絶妙なバランスで掛け合わせ、等身大の素材のうま味を引き出したスープは、店主のラーメン職人人生の集大成。牛の華やかな甘みと香りが鼻腔をくすぐり、『つくば茜鶏』の上質なうま味を豚の重厚なコクが支え抜く。スープ表面に浮かぶ背脂の風味も、食欲を無際限に増進させる役割を全う
ラーメンを作り続けて25年。独創性豊かな品々で魅せる稀代の名店
創業は1996年。店主・三田氏は、東京青砥にあった『がんこ(閉店)』の味に魅せられて弟子入り。独立開業後は、オリジナルメニューを精力的に開発しながら着実にファンを獲得し、湾岸エリアを代表する名店の1つにまで成長を遂げた。
醤油、塩、つけ麺など、ラインナップは多岐に及ぶが、一番人気は「正油の中間」。5年前にタレの内容を抜本的に見直し、万人に嗜好に合わせたスタンダードな味へと進化。コクとキレを兼ね備えたスープと、喉越し良好な自家製麺との最強コラボ。醤油ラーメンの奥深さが実感できる良杯だ。
〈三田 毅 店主インタビュー〉
田中(以下田):1996年に創業されてから四半世紀。県内屈指の激戦区・行徳で、現役として第一線に立ち続けてこられた三田さんには、頭が下がるばかりです。私も三田さんの味が好きで、これまでも、何度か足を運ばせてもらっているんですよ。
三田(以下三):ありがとうございます。確か前回は、あの辺りの席で(指差しながら)召し上がってましたっけ (笑)。
田:よく覚えていらっしゃいますね! 前回お伺いしたのは2018年5月頃だったかと思います(笑)。味が、以前とガラリと変わっていて驚いたことを、鮮明に覚えています。私の中で、『がんこ』のラーメンと言えば「しょっぱうまい」というイメージがありました。そのイメージが良い意味で覆された。驚きましたよ!正直。
三:はい。数年前に「そろそろしょっぱい味から卒業してもいいかなぁ」と思い、タレを完全にリニューアルしたんです。「薄口醤油」をメインとした構成に変え、より幅広い層へと訴求するスタンダードな味わいを目指しました。
田:上質な甘みが口いっぱいに広がるこのスープ、『十一代目』オリジナルのストレート麺ともよく合っていますね。
三:ありがとうございます。自家製麺を採り入れる際、縮れ麺からストレート麺に変更したのですが、ストレート麺は良いですね。麺が切れにくい。自家製で麺の原価が抑えられる代わりに、他の食材にお金をかけています。
田:トッピングのバラロールチャーシューも、相変わらず絶品ですね。舌の上でとろけるような柔らかさ。
三:チャーシューは、肉が上質かどうかで大きな差が出るんですよ。この点にはこだわって、国産豚を使っています。
田:なるほど! 最後に、今後の展望を。
三:自分の身体が保つ間は、ずっと厨房に立ち続けたいですね。メニューは幅広く。お客さんには、色々な味を楽しんでもらいたいなと。
田:有難うございました。頑張って下さい!
一条流 がんこ十一代目
住所 千葉県市川市行徳駅前2-21-22-1007
営業時間 18:30~24:50
定休日 日曜
駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
お問い合わせ ☎なし
リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】