中華そば たがや《千葉市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

中華そば たがや《千葉市》
（「月刊ぐるっと千葉」2022年1月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「中華そば塩」。スープの鶏素材の主力は手羽元。手羽元の上質なうま味が、その他動物系のコクと魚介の滋味を引き連れ食べ手へと迫る構成は、圧巻のひと言だ。塩ダレに用いる塩も３種をＭＩＸする手間ひまの結晶

地元幕張の活性化を願いつつ紡ぐ１杯は、手羽元の滋味が息づく絶品！

「私は地元・幕張に愛着があります。この店を開業したのも、ここが幕張のパワースポットになればとの思いからです」。そう語る森店主は、2009年にラーメン職人の道へと飛び込み、県内の実力店での修業を経て、本年７月10日、満を持して一国一城の主となった努力の人。
スープは、鶏（丸鶏・ガラ・手羽元）に加え、風味に華やぎを演出するために少量の牛骨からも出汁を採った、動物系100％。メニューリスト筆頭を飾るのは「中華そば塩」。魚介（サバ・カツオ・煮干し等）の滋味を、スープとコラボを組む香味油へと溶け込ませる。そうすることで、スープ中に根付く動物系と油に潜む魚介系の成分が、舌上で邂逅し一体化。こうして生まれるうま味はこの上なく重層的で、レンゲを持つ手が止まらない引きの強さを誇る。
合わせる麺も、風味絶佳な『麺屋棣鄂』製の全粒粉麺を採用するなど、手抜かりは皆無。ラーメンは、街の外から人を呼び込める強力なコンテンツ。同店の１杯は必ずや、幕張に更なる活性化をもたらす光となるに違いない。