いなばのしろうさぎ《君津市》
(「月刊ぐるっと千葉」2022年2月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「房総路みそ」。君津の小糸川流域で栽培される香り高く味わい深い高品質大豆「小糸在来」に、富津産の落花生、アサリ・スルメイカ・ワタリガニ等の海の幸の滋味を添え、生クリームと山椒を合わせて作る自家製味噌は、舌上で重層的なうま味がビッグバンを炸裂させる唯一無二の味わい。房総の恵みが凝縮された1杯は、価格をはるかに超えるクオリティの高さを誇る
各々の料理に尋常ならざる職人魂を注ぎ込む!内房を代表する名店
昔ながらの素朴なラーメンが主流を占める内房エリア。義崎店主は、そんな地域において、用いる素材からその調理法に至るまで、納得がいくまでこだわり抜く生粋の職人。しかも、その情熱は麺類にとどまらずサイドメニューにまで及ぶのだから感服するほかない。
同店が提供するのは、麺メニューだけでも「春」「秋」「うらら」「うさぎ」など、多種多様。いずれも想像を絶する研究の産物だが、寒い時期に特にオススメしたいのが「房総路みそ」。技巧の粋が凝らされた、同店でしか味わえない傑作。存分に堪能願いたい。
〈義崎 眞男 店主インタビュー〉
田中(以下田):よろしくお願いします。これまで「春」を2回、「うさぎ」を1回いただきましたので、お伺いするのは4度目になりますね。幾種類もの天然素材のうま味が極限まで引き出されたスープは、何度口にしても心動かされます。このスープを作るのに、どれだけの労力が掛かっているのか。想像するだけで気が遠くなりそう (笑)。
義崎(以下義):健康に育った千葉県産赤鶏のガラと丸鶏に豚骨を加え、3日間かけて炊き上げます。そこに、サバ節・鰹節・昆布をはじめとした魚介の滋味を凝縮させた出汁を合わせています。雑味が出ないように、炊き込む際の火力は徹底的に管理。弱火でじっくりと、がポイントですね。
田:すごい…。素材の風味を飛ばさないように、細心の注意を払っているわけですね。
義:美味しいものを作るのに、手間ひまを惜しんではいけません。ラーメンに限らずどのメニューにも同程度の労力を注ぎ込んでしまうので、妻からは「このままじゃ身体が保たないよ」と怒られていますけどね (笑)。あと、どうしても色々と試したくて味をいじってしまうので、その点についても妻からのチェックが入ります(笑)。
田:職人の鑑だ。ここまで一品一品に全力を注ぎ込む作り手も、中々いないと思いますよ。
義:いえいえ、これでも価格を抑えているので、100%理想とするものが作れているわけではありません。作っているのはラーメンですから。適正価格の範囲内で、できる限りのことをしているだけです。本日召し上がっていただいた「房総路みそ」はいかがでしたか。
田:様々な素材が寸分の齟齬なく共存し、全体としてスケール感のあるうま味を創り出している。最高でした、またお伺いします!
義:ありがとうございます。またお待ちしています。
いなばのしろうさぎ
住所 千葉県君津市南子安5-13-4
営業時間 11:30~15:00、18:00~21:00
定休日 月・火曜(祝日の場合は営業)
駐車場 無料(16台)
お問い合わせ ☎0439-54-4810
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