【閉店】麺 松風《松戸市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

麺 松風《松戸市》
（「月刊ぐるっと千葉」2022年5月号掲載）

※こちらのお店は閉店しました。

「濃ゆか豚骨」。本年２月から提供が開始された新商品。博多の名門醸造所『上久醤油』の上質な甘みが、豚骨の分厚いコクと舌上で一体化。26番手の細ストレート麺がスープを過不足なく絡め取り、口元へと運び込む

地元・松戸への愛を込めて日々紡ぐ。味と真心を兼ね備えた珠玉の１杯

同店を切り盛りするのは、齋藤太一氏。全国に名声を轟かせる『一風堂』において複数の店舗を任されるなど、20年ものキャリアを重ねたラーメン界の重鎮中の重鎮だ。2021年８月、そんなビッグネームが、満を持して独立を果たした。
屋号は『麺 松風』。「生まれも育ちも松戸」という斎藤氏の、地元への愛情と修業元への感謝の思いを表現したものだ。
「お世話になった松戸の方々に、自分が携わってきた『九州豚骨』の魅力を伝えたい」と、「濃ゆか」「淡か」「辛か」の３種の豚骨ラーメンをレギュラーメニューとして提供。「地元の人たちが、ゆっくりと寛げるように」と、マニア受けする尖った味でなく、初めて豚骨ラーメンを口にする人に「美味しい」と感じてもらえる味づくりを心掛けている。
３種類の中で、私が特におススメしたいのが「濃ゆか豚骨」。豚頭とゲンコツを丁寧に炊き、「呼び戻し」の手法でうま味の粋を凝縮させたスープに、甘み豊かな九州産醤油と芳醇なラード油を合わせる。関東圏では珍しい本場九州の味わいだ。