居酒屋 台北《館山市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

居酒屋 台北《館山市》
（「月刊ぐるっと千葉」2022年7月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「濃厚海老豚骨麺（醤油）」。提供開始は5月18日から。トロミが出るほど素材のうま味が抽出されたスープは、動物系素材由来のコクと甘エビの風味が絶妙な塩梅で共存。名門『浅草開化楼』製の全粒粉麺とスープとの相性も絶佳

独学で到達したＭＩＸ系の最適解！華やかな香りと上質なうま味が交錯

「以前は観光客で賑わっていた館山も、コロナ禍で寂しくなってしまいました。今でも、特に夜の客足は戻りません」。そう語る植木店主が今般、「地域の振興に貢献したい」と、本格的なオリジナルラーメンの開発を決意。店主は、コロナ前に居酒屋営業の傍ら、期間限定でラーメンを提供していた経験はあるものの、ラーメン作りは誰に師事したわけでもない。完全な独学だ。
現在、同店が提供するのは「濃厚海老豚骨麺」のみ。「『台北』ではモツ鍋を出していますが、そのスープを採る際、豚骨等の動物系素材を扱います。そのノウハウをラーメンのスープ作りにも活かしました」。
豚（ゲンコツ・背ガラ・豚足・背脂）と鶏（モミジ）を７時間かけてじっくりと煮込み、その後、甘エビ・カツオ・サバ・イワシ等の魚介を寸胴に投入し、さらに１時間炊き上げる。味の決め手は、フードプロセッサーでペースト状にした甘エビのアタマ。「スープに溶け込ませると、香りとうま味が格段にアップします」。
確かに、ぐうの音も出ないほど豊潤だ。