らぁ麺 綾海105《多古町》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

らぁ麺 綾海105《多古町》
（「月刊ぐるっと千葉」2022年10月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「丹波黒どりとあい鴨の中華そば醤油」。「鶏清湯ラーメンを作りたい」という積年の想いを形にした渾身の1杯。出汁のみならずカエシも、地元の『タイヘイ醤油』をはじめ、全国から厳選した複数の醤油をMIX。製作工程に妥協は皆無だ

『千夏８』の新店が満を持して爆誕！鶏＆鴨の等身大の魅力を丼に投影

「オイラの地元が多古町でして。ラーメン職人としてある程度の経験を重ねた今、そろそろ地元に恩を返したいと思い、この店を開業しました」。そう語る萩原店主は、横芝光町の『千夏８』を皮切りに、千葉ラーメンシーンに数々の新風を巻き起こしてきた逸材。
『綾海105』のオープンは、2022年7月16日。開業からまだ日が浅いにもかかわらず複数の麺メニューを提供するが、「ずっと本格的な鶏清湯ラーメンを作ってみたかった」との言葉どおり、看板メニューは「丹波黒どりとあい鴨の中華そば」。
スープは、京都の生産者から直送で取り寄せた「丹波黒どり」と、千葉県内の合鴨生産者から取り寄せた上質な「あい鴨」を、3対1の割合でブレンドしたもの。口に含んだ瞬間から、鶏と鴨の重厚なうま味が味覚中枢のド真ん中を直撃する構成は、まさに圧巻のひと言。これに「丹波黒どり」から採った鶏油を合わせ、統一感のある味わいを演出できている点も、特筆に値する。地元で中途半端なものは作れない。不退転の覚悟を感じる１杯に心を打たれた。