焼き干し中華そば 澪つくし《八街市》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

焼き干し中華そば 澪つくし《八街市》
(「月刊ぐるっと千葉」2022年11月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「中華そば濃口醤油」。「中華そば濃口醤油」の出汁は、毎日少しずつ残し継ぎ足す「呼び戻し」の手法により、圧倒的な滋味を実現。カエシは、名門『宮醤油』をはじめ3種の千葉産醤油をMIX。盟友『麺処丹治』に特注した麺も、スープと阿吽の呼吸を奏でる名品だ。「すっぱいしーつけ麺」は、今はなき名店『勝田台丸長』へのオマージュを込めて創り上げた話題作。スパイスの辛みと強烈な酸味が、味覚中枢のド真ん中を直撃

西千葉の名店『粋や』の新機軸。自ら焼き干しを紡ぐ、驚異の新店

「新たにラーメンを開発するに当たり、焼き干しに着目したんです。で、興味を抱き調べていく内に、焼き干しは衰退しつつある食文化であることが分かってきたんです」。では自分が後継者の一人になろうと、店舗の裏で焼き干しの製造を始めてしまうのだから、その職人魂に驚嘆するしかない。
基本メニューは「中華そば濃口醤油」。焼き干し・カタクチ・ヒラコを絶妙な塩梅で折り重ねた出汁と、『宮醤油』など風味華やかな醤油を用いたカエシとを合わせたスープは、啜った瞬間、輻輳する上質なうま味に鳥肌が立つほどだ。

〈小池 貴広 店主インタビュー〉
田中(以下田):まずはご報告。これまで2回インタビューした方は何名かいらっしゃいますが、3回は小池さんが初。最多記録となります(笑)。
小池(以下小):大変光栄です。
田:初回のインタビューは5年前になりますね。さて、今回の『澪つくし』ですが、お店のコンセプトは何ですか。
小:焼き干しです! 焼き干しは店の裏で自作しています。実は、この店で提供しているラーメンの原型は、『ぐるっと千葉』企画の限定コラボラーメンなんですよ。2年前、『ぐるっと千葉』さんに限定コラボラーメンを作ってもらえないかと、声を掛けてもらったんです。その時に考案し提供したのが、焼き干しラーメン。
田:あの時の限定ラーメンが、現在へと繋がっているんですね。感動しました!
小:そうなんです。あの限定ラーメンを少しずつカスタマイズし、『澪つくし』の「中華そば薄口醤油」となりました。ただ、この店の圧倒的一番人気は「濃口醤油」ですけど (笑)。
田:この辺りだと、醤油スープは色が濃いというのが常識ですからね。麺は、佐倉の『麺処丹治』のものをお使いになっているとか。
小:はい。中太手揉み麺、細麺共に、丹治さんに作ってもらっています。今の麺は、この店のスープに世界一合うと確信しています。
田:麺の長さはちょうど良い塩梅で、食感や香りも抜群。確かに、小池さんが仰るとおりの名品ですね。
小:麺の長さは28から30cm。啜り易さと啜り応えとの兼ね合いを考えると、30cm弱が丁度良いと思うんです。ちなみに、この手揉み麺の加水率は40%を超えているんですよ。
田:加水率40%超えの麺を作るのって難しいんですよ。丹治さん、完全に麺づくりの世界にハマっちゃいましたね。
小:麺を他店に卸すために工場まで作りましたからね、彼。熱意ある作り手の方々に支えられ、私は幸せです (笑)。
田:確かに。ありがとうございました!

焼き干し中華そば 澪つくし

住所 千葉県八街市沖1128-4

営業時間 11:00〜15:00

定休日 水・木曜

駐車場 無料(10台)

お問い合わせ ☎なし


リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】