麺割烹 亀壱《松戸市》
(「月刊ぐるっと千葉」2023年5月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「醤油らーめん」。以前のバージョンでは、スープの主役として鯖節を用いていたが、研究過程で「貝」が持つ効用に気付き、内容を一新。鯖を廃し、貝との相性がより良好な鰹節を採用することで、一層、深みと奥行きのある味わいの創出に成功した。松戸の地への恩返しも込め、用いる素材は、可能な限り「地産地消」を遂行。日々進化を遂げる名杯。是非、ご賞味あれ!
各種素材のバランスを徹底的に重視!素材力みなぎる1杯に舌鼓
2013年7月に開業し、オープン10周年を迎える同店。ショウ山本店主は、元々印刷業界の人だったが、心機一転、料理人へと転向。ラーメンのみならず、中華やとんかつなど、多種多様な料理に造詣が深いベテラン職人だ。
そんな店主の経験の豊かさは、基本メニューの「醤油らーめん」にも、余すところなく投影される。鰹・貝・豚骨・鶏のうま味を、いずれかが突出せぬよう丁寧に合わせたスープは、正統派でありながらも、カエシとのバランス等に匠の技を感じさせるもの。老若男女を問わずゴクゴク飲み干せる珠玉の味わいだ。
〈ショウ山本 店主インタビュー〉
田中(以下田):前回の訪問が2017年6月でしたから、約6年ぶりになりますね。本当、ご無沙汰しておりました。
山本(以下山):もう、お店にいらっしゃらないかと思っていましたよ!(笑)
田:今回も前回と同様「醤油らーめん」をいただきましたが、随分、味が変わったような気がします。
山:ご承知のとおり、以前はスープの主役に鯖を据えていたのですが、味が魚介方向に寄り過ぎてしまったような気がして、内容を抜本的に見直しました。今は、豚・鶏に加えて鰹と貝を用い、口の中で各々の素材のうま味が巧みにバランスするようなスープづくりを心掛けています。
田:貝を採り入れたのですね!香り芳しい貝とコク深いカエシとの相性があまりにも良好で、ひと口目から丼の世界にググっと惹き込まれてしまいました。
山:ありがとうございます。東京・東中野の人気店『かしわぎ』の「醤油ラーメン」を実食する機会があったんです。そのとき、貝のうま味の力強さ、溜まり醤油と合わせたときの爆発力に衝撃を受け、早速、自店の「醤油らーめん」で試してみた次第です(笑)。
田:良いと思ったことは柔軟に採り入れる。素晴らしい姿勢だと思いますね。
山:ラーメンに限らず「食べ歩き」は良き教材ですね。あと、その土地の方々の嗜好を的確に把握し、地元に愛される1杯を作ることも日々意識しています。
田:なるほど! 例えば、このラーメンに用いている素材も、県内産のものを使っていらっしゃるんですか。
山:はい。この土地で営業させていただいていることへの感謝の念も込めて、地元の食材を重点的に用いています。
田:最後に将来の抱負をお願いします。
山:現状に慢心せず、味を日々進化させ、この店を快く受け入れてくれた松戸の方々に恩を返していきたいです。
田:応援しています!
麺割烹 亀壱(かめいち)
住所 千葉県松戸市稔台1-14-2
営業時間 11:00〜14:00、18:00〜23:00(日曜・祝日は11:00〜20:00)
定休日 月曜夜の部、火曜
駐車場 無料(1台)
お問い合わせ ☎なし
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