【閉店】みっかぼうず《神崎町》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

みっかぼうず《神崎町》
(「月刊ぐるっと千葉」2023年7月号掲載)

※こちらのお店は閉店しました。

「黒中華おゝ油」。森住氏の背中を見ながら修業し、ひとかどのラーメン店の主へと成長を遂げた者は、世に数多く存在する。そんな弟子たちが食べに来ても新たな「気付き」や「発見」が得られるものをと、ギミックの粋を尽くして創られたのがこの1杯だ。素材感豊かなスープから、歯触りの心地良さにまで拘った麺に至るまで、職人・森住氏の世界観が随所ににじみ出る

営業は週3日のみ!紡ぐ1杯1杯は、縁を感じた神崎町への恩返し

1996年に新三河島(東京都)に創業し、00年から10年代前半にかけて、日本のラーメン店のエース格として国内外に名声を轟かせた歴史的名店『柳麺ちゃぶ屋』。『みっかぼうず』は、そんな『ちゃぶ屋』の創業者・森住康二氏が、週に3日間ラーメンを提供する、知る人ぞ知る存在だ。
現在、提供するのは「醤油らぁ麺」と「黒中華おゝ油」。いずれも「うま味調味料を使わずうま味を詰め込む」をモットーとする「森住イズム」が余すところなく体現された絶品。
生涯に一度は口にしておきたい、ジャパニーズラーメンの金字塔だ。

〈森住 康二 店主インタビュー〉
田中(以下田):お久しぶりです。早速ですが、どうして、この場所でラーメンを作ろうと決意されたのですか。森住さんと言えば、個人的には、護国寺(新三河島から移転した後の『柳麺ちゃぶ屋』の所在地)や、表参道(森住氏がオーナーシェフを務めていた『表参道MIST』の所在地)など、都会のド真ん中の厨房に立っている印象が強く、このような長閑な場所にいらっしゃるのが意外で…。
森住(以下森):私は今、東京から移住し千葉県内に住んでいます。ある日、県内をドライブしていた時に偶然、香取神宮に立ち寄ったのです。で、神宮内にある要石(地鎮の効力があるとされる霊石)と対峙した後、車に乗り込むと、自ずと「この地域に腰を据えてラーメンを作る」意思が固まっていたのです (笑)。常識的に考えれば、この地域で飲食店を経営していくには相当な頑張りが必要だと思うのですが、そんな理屈を抜きにして、この地に呼ばれたという感覚を抱きましたね。
田:不思議な体験ですね!
森:「またラーメンを作りなさい」と、背中を押されたような気がします。
田:今、森住さんが目指しているのは、どんなラーメンですか。
森:日本人が食べても外国人が食べても美味しく感じる1杯を作ることを心掛けています。外国人にとってのラーメンのネックは、うま味の質と塩分濃度の高さなのですが、それらの課題をクリアした1杯を目指しています。
田:麺の印象が、以前の森住さんのラーメンと少し違うような気がしますが…。
森:以前はしなやかさに拘っていたのですが、今は、歯触りの心地良さを重視しています。スープも、以前よりもカドがとれた味になっているかも知れません。
田:これから、どのようなお店にしていきたいとお考えですか。
森:初めての地で、新たにラーメンを作るということに気付かせてもらいました。新鮮な気持ちでラーメンと向き合いたいですね。
田:応援しています。ありがとうございました。

みっかぼうず

住所 千葉県香取郡神崎町立野494-1 インディゴコーヒー内

営業時間 金曜 17:00〜20:00 土・日曜 11:30〜20:00

定休日 月〜木曜

駐車場 無料(10台)

お問い合わせ080-6652-1996


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