東金大勝軒《東金市》
(「月刊ぐるっと千葉」2023年10月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「大盛もりそば」。理想とするつけ麺の具現化に勤しみ続けるラーメン作りの鬼が渾身の力を込めて紡ぐ「もりそば」は、並盛で200g、大盛で400gの麺量を誇るが、あっと言う間に食べ切れてしまう。私が知る限り、現存する『東池袋大勝軒』系の「もりそば」の中でトップクラスのクオリティを具備。つけ麺愛好家必食の名杯だ
人生を懸けて『東池袋大勝軒』の創業者山岸氏の味を追求する名店
「理想とするつけ麺の味は、修業先『東池袋大勝軒』で故山岸マスターが紡いでいた、あの『もりそば』の味。その味に少しでも近づきたいと創業時から日々試行錯誤を続けています。未だ納得できる水準には到達しませんけどね」。そう言って笑う小川店主は、東京・新橋でラーメン店を経営しながら、山岸氏の下で修業し4ヶ月で卒業を果たした腕利き職人。
看板メニューは「もりそば」。甘み・辛み・酸味の三味が寸分の齟齬もなく調和。際限なく麺を食べさせるスープは、数ある同系のつけ麺の中でも指折りの完成度を誇る。
〈小川 達也 店主インタビュー〉
田中(以下田):以前、「東金大勝軒」さんの「もりそば」に心を動かされ、いつか、じっくりとお話を伺いたいと思っていました。今回の「もりそば」も鳥肌が立つほど素晴らしい出来映えで、あっと言う間に食べ切ってしまいました。スープの甘み・辛み・酸味のバランスも完璧で、いつまでも、このスープで麺を啜り続けていたかったほどです(笑)。
小(以下小):ありがとうございます。ただ、これでもなお、私が手ほどきを受けた『東池袋大勝軒』の山岸マスターの味には及びません。2003年の創業時から、マスターの味を思い浮かべながら日々試行錯誤を繰り返しているのですが、どうしても同じ味にならないのです。
田:ここまでハイレベルな1杯なのに、及ばないとお考えなのですね。
小:はい。この「もりそば」は、マスターの味よりもカエシが少し強いのです。私にとってのゴールは、山岸マスターの味の再現。私が好きなのはあの味なので、違う味でお客さんから褒められても、それは終着点ではないのです。私が『大勝軒』の暖簾を掲げる原動力となっているのは、マスターの「もりそば」ですから。
田:そのお考え、徹底していますね。
小:毎日の試食の際、お酢や砂糖を足したり引いたりして研究していますが、「マスターの味に近づいているのではないか」と喜んだ刹那、「やっぱり違った」と突き放される。その繰り返しです (笑)。
田:麺も凄く美味しいのですが、やはりこだわっていらっしゃいますよね。
小: 15kgの麺を打つ際、用いる水の量を100cc変えるだけで、その「表情」は全く変わります。湿度は調節できませんので、水の量を調整することで、クオリティの安定化を図っているところです。
田:今後の抱負は、もはや「言わずもがな」ですね(笑)。
小:はい。これからも、山岸マスターの味を追い求めていきたいと思います。
東金大勝軒
住所 千葉県東金市田間3-56-1
営業時間 111:00〜14:00、18:00〜20:00
定休日 火曜
駐車場 無料(30台)
お問い合わせ ☎なし
リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】