千乃家《千葉市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

千乃家《千葉市》
（「月刊ぐるっと千葉」2023年11月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「鶏白湯しお」。空気を含んだ無数の泡が唇と舌に接触し、喩えようのない快感を惹起する本格派「泡系鶏白湯」。提供時の視覚的な美しさも、食べ手に鮮烈な記憶を刻み込む。下味が沁み込んだ味玉も必食のひと品だ

千葉県では珍しい泡系鶏白湯で勝負！鶏のコクが味覚を優しく癒す佳品

「この界隈ではあまり見掛けない、スープをブレンダーで泡立てた鶏白湯ラーメン。ラーメン店を新規開業するに当たり、創設メンバーで何度も話し合いを重ねた結果、この１杯をフラッグシップメニューに掲げることに決めました」。
戴いた「鶏白湯しお」のスープは、鶏ガラと数種の野菜を丁寧に炊き上げた出汁と、塩、白出汁、昆布等をブレンドしたタレとを、絶妙なバランス感覚で重ね合わせたもの。「塩だけでなく白出汁と昆布をタレに溶かし込み、円やかな味わいと快楽中枢に訴えかける豊潤な甘みを表現しました」。確かにこのスープ、丼を手で掴んでゴクゴクと飲み干したくなるほど口馴染みが良い。スープに雑味を生じさせないためのこだわりも徹底している。
「鶏ガラは一つひとつ丹念に血抜きを施し、スープを炊く際の温度設定にも細心の注意を払っています」。
麺は『菅野製麺』製。10数種類のサンプルの中から「スープに最適なものを」と選び抜いた低加水麺を使用。その歯切れ良さは天下一品だ。