長州ラーメン 万龍軒 富士見店《千葉市中央区》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

長州ラーメン 万龍軒 富士見店《千葉市中央区》
(「月刊ぐるっと千葉」2024年1月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「長州らー麺」。以前は寸胴でスープを作っていたが、「より濃厚・濃密なスープを作りたい」と、強力な火力が効率的に得られる回転釜を採用。豚骨スープの濃度がアップしたことに伴い、カエシの濃度も上げ、ガツンと食べ応えのある味の創出に成功している。コクを増幅させるため、カエシにオイスターソースを溶け込ませるなど、豊かな経験に基づくギミックも光る

創業は昭和53年。未だ色褪せない、千葉を代表する歴史的名店の威光

「昭和53年に、父(先代)が創業した同店。2代目である私は、28年前から店の厨房に立ち続けています」。
屋号に刻まれた「長州ラーメン」とは、山口県宇部市のご当地麺「宇部ラーメン」の意。創業当時、千葉駅周辺には白湯スープを炊く店が殆どなく、宇部の出身である初代が「ならば自分が、スープが濁った宇部ラーメンを作ろう」と創業したのが、同店誕生のキッカケだ。
世の嗜好の変化に応じ幾度も味の改良が施されたが、カエシに用いる醤油など、根幹をなす部分は創業当時のまま。後世にまで残したい歴史的名店だ。

〈伊藤 太朗 店主インタビュー〉
田中(以下田):よろしくお願いします。『万龍軒』は、千葉ラーメンの食べ歩きを始めた頃から好きで、何度かお伺いしています。ですので今回は嬉しい限りです。
伊藤(以下伊):ありがとうございます。
田:はじめに、『長州ラーメン』という屋号の意味を教えてください。長州…、山口県には、東に「下松牛骨ラーメン」、西に「宇部ラーメン」というご当地麺があります。『長州ラーメン』とは「宇部ラーメン」のことですか。
伊:はい。先代である父は宇部市の出身ですが、昭和53年当時、移り住んだ千葉には宇部のようなスープが白濁したラーメンがなかったそうです。で、この地で故郷の味を作り始めたと聞いています。初期の頃は、宇部から職人を呼んで作っていたそうです。
田:そうなんですね。では次の質問を。私が最初に貴店のラーメンを戴いたのは20年前のことですが、訪問する度にスープが濃厚化しているような気がするのですが(笑)。
伊:私、濃厚な豚骨ラーメンに目がなくて。現在、スープに使っている素材は、豚ゲンコツ・豚足・モミジですが、回転釜を導入し、ゲンコツを大幅に増量。その結果、スープは以前とは比較にならないほど濃くなっています。
田:ガツンとボリューム感のある1杯に仕上がっていますね!スープを啜る度に感じる仄かな甘みも好印象です。
伊:はい。スープのコクを膨らませるため、カエシに少量のオイスターソースを加えています。
田:オイスターソースですか! この工夫は、2代目である太朗さんが考案されたのですか。
伊:はい。オイスターソースの風味を足せば良い塩梅になるかなと思いまして。思い切って試してみたら、上手くいきました(笑)。
田:なるほど。最後に、今後の抱負を教えてください。
伊:地元に根付き、地元から愛されるお店にしていきたいですね。
田:既に千葉にとって必要不可欠なお店になっていると思いますよ!

長州ラーメン 万龍軒(まんりゅうけん) 富士見店

住所 千葉県千葉市中央区富士見2-4-13 大昌ビル2F

営業時間 11:00〜14:00、17:00〜21:00

定休日 火曜

駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)

お問い合わせ043-225-7620


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