背脂煮干し中華そば二代目 たかちゃんらーめん《市川市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

背脂煮干し中華そば二代目 たかちゃんらーめん《市川市》
（「月刊ぐるっと千葉」2024年1月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「背脂煮干中華そば（並）」。現在、同店が提供する唯一無二のレギュラー麺メニュー。スープに鰹と煮干しを混合させた節粉を加えることで素材感を増幅させ、背脂を加えることで上質な甘みを付与。麺は名門『カネジン食品』製

目指すは濃度と食べやすさを兼ね備えた１杯！ 芳醇な煮干の香気に陶酔

「私は、生まれも育ちも千葉でして。ゆくゆくは、千葉の地に店舗を構えたいと考えていました」。
そう語る店主が目指すのは、こってりと濃厚でありながらも、くどさがなく食べやすい１杯。スープは、豚骨出汁と煮干し・昆布・鰹節から採った出汁とを、絶妙なさじ加減でブレンドした醤油ベース。醤油っぽさと素材のうま味がバランス良く共存するスープづくりを心掛けているだけのことはあり、レンゲを持つ手をどれだけ動かし続けても食べ飽きない、盤石の味わいに仕上がっている。
トッピングが、海苔・チャーシュー・ほうれん草と、横浜家系ラーメンのそれをトレースしたものとなっている点も、特筆に値する。
「試作段階で様々なトッピングを試してみましたが、これが最も当店のスープに合うのではないかと考え、海苔とほうれん草を採用しました」。
ほうれん草の瑞々しい風味と海苔から放たれる磯の風味が、スープのテイストに奥行きを与えるとともに、絶妙な箸休めの機能をも担う。シンプルながら、奥深さも垣間見える良杯だ。