らー麺N《市川市》|【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

らー麺N《市川市》
(「月刊ぐるっと千葉」2024年5月号掲載)

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「極N麺(醤油)」。アクを丁寧に除きながら7時間かけて鶏ガラを丁寧に炊き上げた出汁に、香り高い鶏油と、数種類の醤油をブレンドしたカエシを合わせる。完成時の味を具体的にイメージしながら、カエシに使用する醤油の種類や割合を随時見直すなど、より醤油ラーメンっぽい1杯となるよう研鑽し続ける姿勢にも、頭が下がる。麺は『菅野製麺』の中太(切り刃18番)

スタンダード&シンプルが理想。五臓に癒す味が物語る9年の研鑽

最寄りの市川駅から徒歩15分。必ずしも利便な立地ではないが、『らー麺N』は、地元を中心に絶大な支持を集める実力店だ。
店主・長沼氏は、都内の名店『天神下大喜』の武川店主の下で約4年にわたり修業を重ねた後、2015年4月、満を持して独立。「師匠が手掛けるラーメンのような、シンプルな味が理想です」と、奇を衒わず実直に1杯1杯を紡ぎ出す。
おススメは、品名に屋号のNを冠する「極N麺(醤油)」。細やかな改良を重ねたコク深い醤油ダレがスープ中の鶏滋味と阿吽の呼吸を奏で、瞬く間に食べ手を魅了する。

〈長沼 秀聡 店主インタビュー〉
田中(以下田):お願いします。いただいた「極N麺(醤油)」ですが、スープの鶏滋味が身体中に沁みわたる絶品でした!
長沼(以下長):ありがとうございます。
田:ラーメン作りのオペレーションを拝見しました。鶏油を2回に分けて丼に注いでいらっしゃる。
長:はい。全体として味のバランスを取るために、出汁よりも先に一度油を注ぎ、さらに油の風味をダイレクトに堪能してもらうため、仕上げ前に再度油を注いでいます。
田:工夫されていますね。2015年の開業から今年で9年。長沼店主は日々、どのような1杯を作ろうと考えていらっしゃるのでしょうか。
長:修業先である『大喜』のようなシンプルな1杯。それに尽きますね。私自身、飾らないラーメンが好み。自分の好みから外れない範囲内で、お客さんからのアドバイスを聞きながら作っている感じです。
田:私はオープン間もない時期に「らー麺(醤油)」をいただきましたが、現在の味は、相当ブラッシュアップされている気がしました。どの点に磨きを掛けられたのですか。
長:醤油ダレは、醤油の種類や割合を見直すなど、改良を重ねていますね。全体的に「より醤油ラーメンっぽい味」になるような方向性を目指しています。
田:なるほど。ところでデフォルトの「らー麺」の価格が780円ですか!物価高のご時世に、その価格設定は破格です。
長:当店の場合「極N麺」を1,000円に設定し、そこから引き算をする形で各商品の価格を決めています。
田:基本のラーメンでも1,000円の大台に乗る店が増える中、素晴らしい営業努力。頭が下がります。最後に、今後の抱負をお聞かせください!
長:修業時代、麺打ちの名手である師匠から製麺を教わりました。将来、厨房スペースが広い店舗が手に入った暁には、麺づくりに取り組みたいですね。あくまで「夢」ですが(笑)。
田:その「夢」、ぜひ応援させてください!

らー麺N(えぬ)

住所 千葉県市川市新田3-18-9

営業時間 11:30〜14:30、18:00〜22:00(LO21:30)

定休日 水曜

駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)

お問い合わせ047-370-3707


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