拉麺いさりび《船橋市》
(「月刊ぐるっと千葉」2024年6月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「ネオ中華そば」。「素材と素材のうま味と香りを巧みに融合させること」を重視する店主の思想が、随所から垣間見える『いさりび』を代表する1杯。豚・鶏・野菜・魚介・乾物など、幾種もの天然素材を、各々の特性を見極めながら足し合わせ、他のラーメン店では出会えない新次元の味わいを生むことに成功。ザク切りのネギから放たれる香気も、目が醒めるほど鮮烈だ
うま味の競演に味蕾が歓喜!韓国料理「複合」の手法が映える1杯
「夜間、漁船が水面で灯す『漁火』のように、お客さんに足繁く通ってもらえるお店にしたい。これが『拉麺いさりび』の屋号の由来です」。
そんな堀江店主の願いは叶い、『いさりび』は、2013年の創業から現在に至るまで、船橋エリアのオアシス的な存在として、多くの人々から愛され続けてきた。
看板メニューは『ネオ中華そば』。韓国料理における「複合」の手法をラーメンづくりへと採り入れ、多種多様な素材のうま味を、最適バランスを見極めながら一体化させた1杯は、商品名のとおり、中華そばの新時代を拓く名作だ。
〈堀江 祝光 店主インタビュー〉
田中(以下田):「ネオ中華そば」ですが、うま味のクオリティが規格外ですね!様々な素材の滋味が合わさって生まれた複雑玄妙なうま味がフックとなり、レンゲを持つ手が止まりませんでした。
堀江(以下堀):ありがとうございます!
田:「ネオ中華そば」のスープは、豚・鶏・野菜・魚介・乾物など、数多くの素材から出汁を採っていますよね。どんな方法を採れば、ここまで多岐に及ぶ素材のうま味を、上手くまとめ上げることができるのでしょうか。
堀:私は、ラーメンづくりのヒントを、中華・和食・アジアン料理など、ラーメン以外の料理から得るようにしています。特に、韓国料理の世界に、複数のうま味を足し合わせて新たなうま味を創り出す「複合」という考え方があり、その考え方を採り入れています。
田:鶏、豚、煮干しなどといった特定の素材を、ラーメンの味の主役に据えないということですか。
堀:はい。メインの素材を決めるという発想は採りません。素材と素材を合わせた際に生まれる味を最初に思い浮かべ、感覚を総動員しながら、思い浮かべた味の実現を目指す。イメージとしてはそんな感じですね。
田:スープは、どのような方法で作られているのでしょうか。
堀:豚(ゲンコツ・豚骨)とモミジを寸胴に入れて煮込みます。その後、一定の時間が経過した後に鶏ガラ、更に間隔を空けて野菜・乾物を投入します。素材の種類によって煮込む時間を調整し、うま味のバランスを取っています。
田:堀江さんは、開業から現在に至るまで、どんなアプローチで味のブラッシュアップを図ってこられたのですか。
堀:毎日ラーメンを作っていると、稀に飛び抜けて美味いスープが出来ることがあります。その味が常に再現できるように試行錯誤を重ね、今の味へと辿り着きました。
田:どうりで頬が落ちそうになるわけだ!今日はありがとうございました。
拉麺いさりび
住所 千葉県船橋市本町7-5-4 ワールドビル 1F
営業時間 11:00〜15:00、17:00〜20:00(土日祝日は11:00〜18:00)
定休日 水曜
駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
お問い合わせ ☎070-5598-9982
リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】