元祖・房総らーめん520《茂原市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

元祖・房総らーめん520《茂原市》
（「月刊ぐるっと千葉」2025年1月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「房総らーめん」。甘辛いカエシ、香り豊かな煮干し、滋味深い鶏が三つ巴となって味覚中枢を直撃し、多幸感を生むスープは、店主の個性が垣間見える唯一無二の味わい。バラ海苔の磯香も、食味に華を添える名触媒だ

浸水被害を乗り越え茂原へカムバック！2ndステージの主役は煮干し

「『らーめんコジマル』は茂原の地で生まれ、茂原に育てられたお店です。甚大な浸水被害を受け、一度は茂原からの撤退を決断しましたが、離れている間、茂原の人たちに会いたいという想いが募るばかりで。今般、リスクよりも想いを取り、この地へと帰ってきた次第です」。そう語る小島店主が今回繰り出すのは、地元九十九里産の煮干しを用いた１杯。お家芸であるガッツリ系ラーメンでなく、新たなラインナップで茂原市民の「食」に貢献する。
「房総らーめん」「煮干し中華そば」「昆布水つけ麺」など、提供する麺メニューのラインナップは多岐にわたるが、まず食すべきは、屋号の一部を冠した「房総らーめん」。
地元・九十九里産のカタクチイワシと国産鶏の胴ガラとを、絶妙なバランスでブレンドし丁寧に炊き上げた出汁に、甘辛いカエシを重ね合わせたスープは、イワシ・鶏・醤油の三者が舌上でピタリと融合し、ワンランク上のうま味を紡ぎ出す、会心の出来映え。幾度も試作を重ね、比類なきモッチリ感を実現した麺も秀逸だ。