とものもと《船橋市》
(「月刊ぐるっと千葉」2025年2月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「醤油らーめん」。2022年11月、鶏だけから出汁を採る「鶏水」タイプから、鶏・豚・魚介が手を結び、優美な滋味のトライアングルを描くバランス型の1杯へと刷新。2024年9月にも鶏油の採り方・鰹節の分量の見直し、伊吹いりこ・アジ煮干しのスープ素材への採用等のリニューアルを敢行。スープの一滴一滴に各種素材の等身大のうま味が息づく、前人未踏の高みへと到達
自分らしさを表現すべく真摯に探究!千葉を代表する淡麗系の名店
2020年3月に東中山から現在地へと移転。移転後も日々、味のブラッシュアップに励み、今では、押しも押されもせぬ千葉を代表する淡麗ラーメンの名店の座に君臨するに至った。
そんな同店の店主・市原氏が胸に刻む信条は「今の自分自身が自分らしいと思える1杯を紡ぐこと」だ。その信条を貫くためには、スープの素材や麺の抜本的な刷新すら躊躇うことなく遂行。「これからも、お客さんに喜んでいただくため、他では味わえない当店ならではの1杯を提供していきたい」と語る店主。
その視線は、常に今の数歩先を見据える。
〈市原 朋宏 店主インタビュー〉
田中(以下田):よろしくお願いします。『とものもと』は、一都三県の優良店をランキング形式で紹介する『TRYラーメン大賞』の掲載常連店。同誌の審査員である私も毎年お伺いし、味の変遷を肌で感じ取ってきました。この『ずるっと千葉』でも、2019年に取材させていただきましたが、あの頃と今とでは、ラーメンのビジュアルから味に至るまで、全くの別物ですよね(笑)。大きなリニューアルは2年前の「アレ」ですか。
市原(以下市):はい。2年前、鶏と水だけから出汁を採る「鶏水」をやめ、手揉み麺を細ストレート麺に替えました。
田:鶏水&手揉み時代のラーメンも十分美味しかったけどなぁ。大幅リニューアルに踏み切ったのはどうしてですか。
市:あの頃、鶏水&手揉み麺のラーメンが爆増したじゃないですか(笑)。私は、自分らしさが感じられるラーメンを作りたい人間。あの動向を目の当たりにして「今のままでは埋没する。変えよう」となりました。
田:まあ、市原さんは2年前に限らず、常に味をブラッシュアップされていますけどね(笑)。今回戴いた「醤油らーめん」も、数ヶ月前のものと明らかに味が違うし。
市:3ヶ月前に、麺の粉を強力と準強力のみにし、大きなところでは、スープの素材として煮干しを新たに採用しました。スープを啜ると、まず動物系のコクを感じ、次に昆布の滋味、最後に煮干しがふんわりと香るはずです。
田:各々のスープ素材の解像度が格段に上がっていますね。これは凄い! 常々思うのですが、現状でも十分美味い1杯を更に変える。市原さんをそこまで突き動かす原動力は、一体何なのですか。
市:一度も食べたことのない味を提供し、お客さんに喜んでもらいたい。それが原動力ですね。『とものもと』が一番好きなラーメン店だと思ってもらえれば最高です。
田:「お客様ファースト」の姿勢を貫いてきたからこそ、今の貴店があるわけですね。次回はどんな味に出会えるか。楽しみにしています!
とものもと
住所 千葉県船橋市本町7-23-14 文平ビル1F
営業時間 11:00~15:00、18:30~LO21:00
定休日 月・火曜
駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
お問い合わせ ☎047-779-4672
リンク
▶️ ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉【アーカイブ】