麺屋むどう《松戸市》
(「月刊ぐるっと千葉」2025年3月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「醤油」。不動の看板商品。当初は、スープの素材として、煮干しのほか、鰹・宗田節・野菜・豚ゲンコツ等も用いていたが、吟味を重ね、不要と考える素材を引き算し、煮干しを増量していった結果、今では煮干し100%に。スープに合わせる油は、健康への配慮の観点から植物性のものが中心。最近、ラーメンっぽさを演出するために少量のラードを加えたとのこと
ひとえにラーメン愛の為せる業。身体に優しい1杯を真摯に提供!
2012年に開業してから10年以上の長きにわたり人気店の座をキープし続ける『麺屋むどう』。切り盛りする里店主は、私が知る作り手の中でも屈指のラーメン愛の持ち主だ。
「ラーメンは、ともすれば身体に良くないと思われがち。そんな固定観念を少しでも払拭すべく、我が子にでも食べさせられる1杯を提供していくことが、使命だと考えています」。
そんな同氏が手掛けるのは、塩分や添加物に極力頼らない、煮干しだけから出汁を採ったラーメン。煮干しの滋味が五臓へと浸透し、身体中の細胞に活力がみなぎる癒しの1杯だ。
〈里 卓也 店主インタビュー〉
里:確か、開業したばかりの頃、食べに来ていただきましたよね(笑)。お久しぶりです。
田中一明(以下田):ご無沙汰しております(笑)。早速質問させてください。いただいた醤油ラーメンですが、上品なテイストでありながら、煮干しの風味芳しく、気付けば完食していました。添加物に頼らない1杯とのことですが、ヘルシーなラーメン作りを追求されているのですか。
里:はい。端的に言えば、私は、我が子にでも食べさせられるラーメンを作りたいと考えています。ラーメンは、ともすれば「身体に良くない食べ物」というレッテルを貼られがちですが、ひとりのラーメン好きとしてその認識を払拭させたいという気持ちもありますね。
田:なるほど。開業当時と今とで、ラーメンの味は変わりましたか。
里:別物と言って良いほど変わりましたね。スタート時は、スープの素材として、煮干し以外に鰹・宗田・野菜・ゲンコツ等も使っていましたが、現在のスープの素材は、煮干しオンリーです。スープのうま味にあまり寄与していないと感じた素材を間引いていった結果です。あ、単に素材の分量を減らしただけではありませんよ(笑)。素材を間引くたびに煮干しの量を増やし、今では、用いる煮干しの分量は開業当時の2倍以上になっています。
田:ラーメン版「選択と集中」ですね(笑)。ところで油は何を使っているのですか。
里:開業当初はカメリアラードを使っていましたが、私の健康志向が高じ、植物性の油に替えました。最近、もう少しラーメンらしさを出した方が良いかもと思い、植物性の油にラードを少しだけ加えています。
田:なるほど。お話を聞く限り、改善の手を尽くし、最早これ以上変えようがないという感じでしょうか。
里:いいえ。時代が求めるラーメンの変化や、人生を左右する人物との出会いなどによって、まだまだ変わっていく可能性はあると思います。
田:次にお伺いする時は、どんな味になっているのか。ワクワクします!
麺屋むどう
住所 千葉県松戸市常盤平5-11-23
営業時間 11:00~14:00、18:00~22:00(土日曜の昼は~15:00、日曜は昼のみの営業)
定休日 月曜
駐車場 無料(2台)
お問い合わせ ☎047-710-0303
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