麺処 にし尾《柏市》
(「月刊ぐるっと千葉」2025年4月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「鶏らぁ麺(塩)」。同店が繰り出す3種の「塩」ベースのラーメンのひとつ。鶏等の動物系素材にアサリ・煮干し・サバ・サンマ・昆布・シイタケを加え、いずれの素材も突出させないよう丁寧に炊き上げたスープは、喉元でうま味がふわりと膨らむ、「口福力」に満ち溢れた味わい。終盤までしなやかな食感を保ち続ける『菅野製麺』の細ストレート麺も、スープと好相性だ
2年半の歳月を掛け不動の人気を獲得!塩系商品は完全オリジナル
「ご承知のとおり、2022年の開業から暫くは醤油ラーメンのみを提供していました。ですが、同年夏に売り上げが落ち込み、早急に打開策を講じる必要に迫られたのです」。そこで、店主が開発したのが塩ラーメンだ。「当時の私は、塩ラーメンについては全くの素人。なので、尊敬する都内の名店『ほん田』がSNSに掲載している情報等を頼りに、ゼロから味を組み立てていったのです」。
そんな研鑽の末に生まれた1杯は、甘美な塩ダレの風味が鼻腔をくすぐる会心の味わい。「醤油」に勝るとも劣らない名杯に仕上がっていた。
〈西尾 勝 店主インタビュー〉
田中一明(以下田):前回は、開業したばかりの頃に取材させていただきました。今回は、柏を代表する名店のひとつとしてご登場願いたいと思います。
西尾(以下西):光栄です!
田:開業当初は、提供する商品を醤油ラーメンに絞り込んでいたと思うのですが。今は、塩ラーメン、昆布水つけ麺も創られていますが、キッカケのようなものはあったのですか。
西:はい。2022年…、開業した年の夏に売り上げが落ちて危機感を抱いたのです。ご承知のとおり、新規開業店は、オープン当初は「開業景気」ということで、大勢のお客様に足を運んでいただけます。当店も、尊敬する『ほん田』(秋葉原他)の本田さんの後押しもあり、滑り出しは好調だったのですが…。
田:「開業景気」が一段落して、落ち着いちゃったわけですね。
西:打開策として開発したのが「塩」と「昆布水つけ麺」でした。当時の私は、塩ラーメンについては素人も同然。作ったことも食べたことも殆どありませんでした。なので「塩」に関しては、全くの独学です(笑)。「つけ麺」は、私は「昆布水つけ麺」が大好きで、いつか必ず作ろうと考えていました。
田:スープについて、開業から大きく変えた点はありますか。
西:はい。開業当初は地鶏を用いていたのですが、あまり拘らなくなりました。「老鶏」の方が「種鶏」よりも抽出できるうま味に厚みがあることが分かり、骨太なうま味を演出するために、今では「老鶏」を好んで使っています。
田:麺についてはどうですか。
西:手揉み麺は、口の中で麺が躍る厚みがある縮れ麺が好きなので、平打ちにしないよう心掛けています。細麺は、終盤までダレないことを重視していますね。こちらのリクエストに的確に応えてくれる『菅野製麺所』には、本当に感謝しています!
田:最後に、今後の抱負をお伺いします。
西:人員が確保できれば、柏を拠点に店舗を拡大していければと思います。単なる夢ですが。
田:ありがとうございます。
麺処 にし尾
住所 千葉県柏市東1-2-45 石戸第3ビル101号
営業時間 11:00~LO15:00、18:00~LO21:00(第1・3火曜は昼のみの営業)
定休日 水曜
駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
お問い合わせ ☎04-7149-8559
リンク
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