ラーメン 天一《市原市》
(「月刊ぐるっと千葉」2025年5月号掲載)
※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「ワンタンメン」。『竹岡式』の定番・乾麺ではなく、あえて生麵を使用。それによって麺とスープの一体感が増し、半永久的に啜り続けられる味わいに仕上がっている。スープを炊く時の火加減に細心の注意を払いながら丁寧に作り上げた1杯は、啜る度に、醤油ダレの上質なうま味が口いっぱいに拡がる牽引力の塊。ボリューミーな半チャーハンも、必食サイドメニューだ
40余年の歳月を経て、姉ケ崎の至宝に。シンプルながら奥深き名杯
「脱サラして中華の修業に励んだ後、ラーメン職人になることを決意。独学でラーメンづくりを修得しました。毎日厨房に立ち続け、気付けば今年で創業42年目です」。そんな店主がラーメン職人を続ける原動力は「お客様の喜ぶ顔が見たいから」のひと言に尽きるという。
スープは、チャーシューの煮汁を茹で汁で割った、本格派の竹岡式仕様。極めてシンプルな造りであるにもかかわらず、ゴクゴクと飲み干せてしまうのは、1杯1杯に「自分が美味しいと胸を張れるもの以外は提供しない」という矜持が込められているからだ。
〈岩野 誠 店主インタビュー〉
田中(以下田):いやあ、お客さんが絶え間なくお店に入ってこられますね。この様子では、ひと息つく暇などないのでは(笑)。1日当たり何杯くらい提供されているのですか。
岩野(以下岩):200杯から300杯くらいですね。
田:それは凄い! 個人店としてはかなりの杯数ですよ。しかも、ラーメン以外に「半チャーハン」や「ギョーザ」を頼む方も大勢いらっしゃる。この席から観てもよく分かるのですが、厨房はまるで戦場のような忙しさですね。通り一遍の質問になりますが、岩野店主はどのような経緯で、このお店を創業されたのですか。
岩:元々会社勤めだったのですが、脱サラし、中華の修業を経て、ラーメン職人になりました。その際、古くからこの地に根付き、私自身も好きだった『竹岡式ラーメン』を作ろうと思い、独学で味を創り上げました。
田:今でこそ実力店や人気店での修業を経て独立する方が増えましたが、40年前は脱サラから独学でラーメン職人になる人も多かったんですよね。ラーメンを作る上で「ここだけは譲れない」といったこだわりがあると思いますが、具体的にお聞きしても良いですか。
岩:お客様に喜んでいただける味を提供し続けることが、私の使命ですね。お客様の笑顔を見るために、どうすればもっと美味しくなるかを毎日考え続けています。『竹岡式』は気を抜くと、味がブレます。そうならないよう「いつも提供している味」を明確にイメージし、そこから逸れない味を作るよう常に意識しています。
田:サイドメニューも充実していますね。「半チャーハン」も、フルポーションと変わらないほどのボリュームがありますが、これもお客様への愛情の現れですか。
岩:創業時に分量多めに作ったから、それをそのまま維持している感じですね。
田:今後の抱負をお聞かせください。
岩:これからも子供からお年寄りまで、様々な世代から愛されるお店であり続けたいです。
田:ありがとうございました。
ラーメン 天一
住所 千葉県市原市姉崎1974-1
営業時間 10:30~15:00、16:00~20:00
定休日 火・水曜
駐車場 無料(7台)
お問い合わせ ☎0436-61-2466
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