
牛乳、麹甘酒、バナナ、ヨーグルトを使ったスムージータイプのジュース。300㎖入り1缶300円。砂糖不使用でノンアルコール。さらりとした喉越しながら、1缶で300kcal弱あるので、食欲が湧かない時や固いものが食べられない方にもおすすめだ。飲む時はよく掻き混ぜてから味わいたい。なお、日本酒は酒蔵の売店のほか、オンラインショップ等で販売中。
酒蔵の麹甘酒とバナナが寄り添うジュース。斬新な自動販売機で登場!
車の往来が激しい国道51号線から一本道を折れ、旧佐倉街道へ。宿場町だった馬渡には今も旧家や史跡が点在し、国道沿いの喧騒が嘘のような、閑静な雰囲気に包まれている。この馬渡で天保元年(1830年)から酒を造り続けているのが旭鶴だ。佐倉市にある蔵元として、県産米で仕込んだ特別純米酒「佐倉城」が定番の地酒として親しまれている。 そんな由緒ある旭鶴。酒蔵も歴史を感じさせる味わい深い佇まいだが、杉玉が吊り下げられた玄関の傍で、ヴィヴィッドなイエローが映える。それはなんと、バナナジュースの自動販売機。しかもジュースを求めに、次々と車で乗りつけてお客がやって来るではないか。造り酒屋としては異色の光景である。 お金を投入して出てきたのは、缶の形をしたかわいらしいボトル。ペコッと蓋を開けて、さっそくゴクリ。バナナの香り立つ飲み口が想像以上の爽やかさで驚く。とろりとしたまろやかな風味が広がりつつも、決してしつこい甘さは無く、後味もスッキリだ。ジュースを開発した旭鶴八代目の田中源太郎さんは「うちの娘は1本のバナナを食べるのは大変なのに、このジュースならゴクゴク飲めちゃうんですよ」と、その美味しさ、飲みやすさに太鼓判を押す。 そんな源太郎さん、家業を継ぐ前は酒とは関わりのない業種で働いていたのだが、その前職時代に腸の病に罹ってしまう。忙しさや生活習慣の影響を疑うものの、病気の詳しい原因は不明だという。「そういう経緯もあって、新しい商品について奥さんと一緒に話していた時、〝腸活〟になる飲み物を作りたいねって」。それがバナナジュース開発の始まりだった。 都内や千葉県内のバナナジュースを中心に、九州の食べ物自販機なども研究し、手軽に食物繊維が摂れるバナナと乳酸菌の豊富なヨーグルト、そして、酒蔵の発酵技術を活かした、麹から作る甘酒を組み合わせたスムージーを誕生させた。麹甘酒の甘さを活かしてノンシュガーに仕上げ、且つノンアルコールなのも嬉しいポイントである。 「自分以外にも腸に悩む人は多いと思うんです。酒蔵として、このドリンクを通して貢献できれば」と語る源太郎さん。一方で、「ブルーベリーやチョコレートなど、色々なフレーバーの季節限定ジュースにもチャレンジしてみたい」と、新しいジュース作りにも意欲的だ。酒蔵ならではのジュース作り。これからも楽しみだ。
(取材・文:沼尻亙司、撮影:織本知之)

1・2.バナナの皮剥きは手作業で。使うバナナは果肉が大きく、熟れて甘みがあり、香りの立つものを選ぶ。未熟果はもちろん、熟れ過ぎたものも皮が果肉の水分を吸ってしまっているので使わない 3.バナナ、ヨーグルト、牛乳に、麹菌が米を糖化して作られた甘酒をミキサーにかける 4.素材の風味を損なわないよう、63度30分でゆっくりと加熱殺菌 5.加熱後はすぐにボトリング 6.SNSの撮影スポットとしても人気のバナナジュース自動販売機
住所 〒285-0804 佐倉市馬渡918
電話番号 0120-65-0002
営業時間・定休日 「酒蔵がつくったバナナジュース」は自動販売機のみでの販売
WEB https://asahiduru.com/
販売・お取り寄せ 酒蔵前の自販機 ※京成佐倉駅南口前の専用自販機でも販売
※2023年10月号に掲載
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