
【カレンデュラまるごと一輪ハーブティー】カレンデュラをまるごと乾燥させたハーブティー。5g入り1300円。10分ほど蒸らし、お湯が黄金色になったら飲み頃。ミント、レモングラス、カモミール、まるごと一輪ハーブティーの4種アソート1400円も用意。サラダや菓子の飾りにぴったりなエディブルフラワーやオーガニックコスメ、ベビーソープなど、多彩なカレンデュラ商品を販売。 ※キク科アレルギーの方はお控えください
南房総の風土に輝くカレンデュラ
美しい生き方をその花に宿して
房総南端、白浜の眩い光を浴びた鮮やかな色彩が畑一面にきらきらと輝いている。「カレンデュラのこの色が好きで買われる方が多くて」。花の摘み取り作業をしながら微笑む五十嵐早矢加さん。夫の大介さんと共に「ベレケの村」としてカレンデュラを栽培。3月までが摘み取りのオンシーズンだ。「ミネラル分を補うために土に海藻を入れるんですけど、ここら辺のおばちゃんたちがそうしてるっていうのを聞いて。海女さんが多いので、そういう知恵があるんですよね」。さらに近所の牧場から分けてもらった馬糞堆肥も土づくりに活かす。 キンセンカとも呼ばれ、日本では仏花として馴染みがあるが、ヨーロッパなどでは古くから薬草として親しまれてきた。花の成分が軟膏に使われたりと、「〝皮膚のガードマン〟とも言われているんですよ」と大介さん。ベレケの村で有機栽培されたカレンデュラは、ハーブやエディブルフラワー、コスメ原料として活用されている。 カレンデュラの花弁自体に強い風味はなく、お茶として淹れると「若干の苦味と、少し菊のような香り」がする程度だが、レモングラスやカモミールと併せて淹れるととても飲みやすく美味しい。何より見た目が鮮やかで、華やかなティータイムを満喫することができる。早矢加さんは「リラックスしたい時に飲むことが多い」という。 カレンデュラのこうした活用法を商品として提案するのは、二人が青年海外協力隊で赴任した中央アジアの国、キルギスでの生活があったからだ。「花びらが箱入りで売られていたんです。ハーブティーにしたり、熱が出た時は解熱のために飲んだり。カレンデュラのチンキもありました」。キルギスでは家庭でできる〝手当て〟のためのハーブとして活躍。一方で、日本での用途は観賞用が主流だ。そこに、日本におけるカレンデュラ栽培の可能性を感じた。 さらにキルギスでは、自然の中に生きる温かな暮らしぶりに触れた。「家畜と共に家族みんなが支え合って生きている」。二人のこれからの生き方を描くきっかけとなった。帰国後、南房総市がカレンデュラ生産量日本一と知り、移住を決意。家族で自然と寄り添いながら農業を営んできた。「牛を飼いたいですし、暮らしを体験できる宿もやりたい」と早矢加さんが将来像を語ると、大介さんは「こういう農業をやりたいという人を受け入れられるような農家になりたい」と続けた。キルギス語で〝恩恵、贈り物〟を意味する〝ベレケ〟は、二人の在り方そのものだった。
(取材・文:沼尻亙司、撮影:織本知之)

1・2.カレンデュラの摘み取り。種まきは9月。台風の襲来から苗を守りきり、冬が到来する12月後半から花が咲き始める。移住の時からお世話になった師匠からは栽培技術だけでなく、作ったものをどう届けていくかまでを学んだ 3.品種は白浜地区で定番の「オレンジスター」 4.花弁はフードドライヤーでじっくり乾燥 5.カレンデュラの花びらドレッシングやコスメ商品も
住所 〒295-0102 南房総市白浜町白浜935
mail bereke@berekenomura.com
WEB https://www.berekenomura.com/
販売・お取り寄せ 道の駅ローズマリー公園(南房総市)、みんなみの里(鴨川市)、JAグリーン館山店(館山市)で販売、webショップで受付
※2024年4月号に掲載
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