【連載-いっぴんさん】EUREKA COFFEE ROASTERSの「西千葉コーラ」(千葉市)

【西千葉コーラ】瓶詰めコーラシロップ200ml1900円(店頭メニューの西千葉コーラは1杯750円)。氷たっぷりのグラスの中にシロップと炭酸を1対4の割合で入れるのが基本だが、好みで分量を変えてみたい。牛乳のほか、ジン、ラム、ウイスキー、ワイン、焼酎などのアルコール類と割ってもいい。調味料としてタコライスの隠し味にも!!

スパイス×フルーツ×コーヒー
調和をなす西千葉発のクラフトコーラ

 喉越し良く爽快な風味でありつつも、特定の素材が突出したような過度な刺激はなく、すうっと味覚に馴染んでゆく。この「西千葉コーラ」の開発をしたエウレカコーヒーロースターズのマネージャー、菅みな美さんの「自然とゴクゴク飲めるよう、それぞれの素材が〝調和〟するように作っています」という言葉に思わず納得。フルーツの爽やかな酸味とスパイスの芳香は和やかに溶け合い、カラメルのビター感が味わいに筋を通す。その風味はアフターテイストに至るまで、じっくりと堪能することができる。さらりとしたカドの無い飲み口が実に魅力的だ。  一方で菅さんは、ベーシックな炭酸割りだけでなく、「コーラシロップと牛乳のブレンドをぜひ試してほしい」と一押し。本当に牛乳と合うのだろうか…と訝しげに思いながらもグビリとやると、絶妙の相性。チャイのような風味でクセがない。とても飲みやすく、牛乳の風味が苦手な方は試してみる価値があるかもしれない。こうした飲み方のオリジナルカスタマイズができるのも、クラフトコーラの楽しさのひとつである。  エウレカコーヒーは千葉大学のある西千葉エリアに本店を構える自家焙煎コーヒー店。夏にコーヒーの販売が落ちることから構想が持ち上がったのが、コーラ作りのきっかけだ。菅さんは元々料理好き。特にスパイスを調合して作るカレーが得意でクラフトコーラにも興味津々、開発に挑むことになった。だが、開発は試行錯誤の連続。各素材の分量、スパイスを鍋に入れるタイミング、加熱時間など、それぞれが微妙に変わるだけで仕上がりが変わってしまう。そこで「各素材が〝調和〟した飲みやすい味わい」という〝もっていきたいゴール地点〟を明確にし、培ってきたコーヒーのブレンドやテイスティング技術を応用。レシピの基本を確立させた。さらに、カラメルを作る際に看板商品「西千葉ブレンド」を加えることで、コーヒー屋ならではのコーラに辿り着いた。  2020年に西千葉コーラをメニュー化。家でも作りたいという要望に応えて2023年に瓶詰めシロップを商品化した。シロップは工場に委託し、職人たちが忠実にレシピを再現。店頭販売のクラフトコーラは焙煎所併設のキッチンで手作りしている。間も無くシロップは販売累計数千本を達成するという。「地元に根付いて千葉の特産品のような存在になれれば」と菅さんは笑った。

(取材・文:沼尻亙司、撮影:織本知之)

1・7.店頭で西千葉コーラのドリンクを販売 2.柑橘はレモンのほか、ライムを多めに用いる 3.「香りが開放される感じが良い」ため、スパイスはホールスパイスを粉砕して使う。写真はカルダモン 4.西千葉ブレンドをドリップ 5.砂糖を煮詰めたカラメルに淹れたコーヒーを加える。「沸いてから加えた方が風味が馴染む」と菅さん 6.各素材を入れて火にかけていた鍋にカラメルを加え最後の仕上げ。工房には芳香な匂いが漂う

店名 EUREKA COFFEE ROASTERS
住所 〒264-0007 千葉市若葉区小倉町890-3
電話番号 なし
営業時間 8:00-18:00
定休日 ▶無休 ※全て小倉台店の情報
WEB https://eurekacoffeeroasters.myshopify.com/
販売・お取り寄せ 小倉台店のほか、京成みどり台駅前の本店で販売、webショップで受付

※2024年7月号に掲載
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ず事前に公式サイト等でご確認の上、ご利用ください