ラーメン 濱野家《市原市》｜【ラーメン官僚 田中一明の月刊ずるっと千葉】

ラーメン 濱野家《市原市》
（「月刊ぐるっと千葉」2021年12月号掲載）

※掲載内容は取材当時のものです。営業時間、メニューなどは現在変更になっている場合があります。また、閉店になっている店舗もありますので、ご注意ください。

「チャーシューメン(並) 」。開業4ヶ月後に、店主が望む味が表現できる鶏ガラの入手に成功。鶏ガラの上質なうま味を豚骨の重厚なコクが支え抜くスープは、家系の“最適解”。レンゲを持つ手を止めさせない引きの強さを誇る

今期の千葉新店の大本命。開店数ヶ月で、県内最高レベルの味を創造！

「お客様に喜んでもらえる１杯を作りたい。なので『濱野家』では、お食事中、一人ひとりのお客様に、ラーメンの味の感想を確認させていただいています」。お客様との関係は一期一会。店へと足を運んでいただいた気持ちを無碍にはしたくない。そんなひたむきな姿勢が、結果としてラーメンの味にもしっかりと投影されている。
一般的に濃厚で「美味しくても毎日は食べたくない」と思われがちな横浜家系ラーメンを、毎日食べても満足感が得られる１杯へと昇華させる。昨年12月に開業してからも、そんな志を胸に秘めながら試行錯誤を重ね、業者との粘り強い交渉の結果、スープに用いる鶏ガラを、上質なうま味と芳醇な香りが得られるものへと変更。
啜る度に鶏の滋味が口いっぱいに拡がり、その後をドッシリとした豚のコクと、甘辛くあと口良好なカエシが追い掛ける構成。平板な味になりがちな豚骨醤油で、ここまで重層的なうま味を創り出せるとは、驚嘆に値する。紛れもなく、２０２１年の千葉新店の中でもトップクラスに位置する１杯だ。