
飯岡産天日干しシラウオ211g化粧箱入り2160円(解凍後は要冷蔵で2日以内にお召し上がりを)。そのまま食べるほかにも、かき揚げなどがおすすめ。生シラウオのぷりぷり食感を味わえる「生シラウオの沖漬け」や、天日干しシラス、釜揚げシラス、九十九里地はまぐり、ながらみ(期間限定)なども扱っている。
海のうま味と地域漁業への想いが詰まった
飯岡の「白いダイヤ」
早春を告げる九十九里沿岸の味覚。禁漁期前の1月下旬から2月中旬にかけて獲れる、産卵前のシラウオは「本シラウオ」と呼ばれ、料亭などで珍重される高級食材だ。「〝白いダイヤ〟と云われています」と教えてくれたのは、漁から戻ったばかりの伊藤友門さん。「飯岡ヤマイチ水産」の漁師の5代目である。飯岡ヤマイチ水産は江戸時代に創業。祖父の代に水産加工も始め、現在も漁から加工、販売までを一貫して手掛けている。 シラスがイワシなど様々な稚魚の総称であるのに対して、シラウオはシラウオ科の魚。飯岡で主に水揚げされているのはイシカワシラウオで、体長は5〜10センチほど。シラスよりも大ぶりだ。「飯岡はシラウオの好漁場。屏風ヶ浦辺りで育ち、飯岡沿岸の岩礁地帯で産卵します」。船曳き網で漁獲したシラウオ。足が早いため氷で鮮度管理し、工房に着くやすぐさま水で洗って釜茹でする。「ボイラーを使って沸点近くで一気に茹で上げることで、うま味を閉じ込めます。先々代から変わらない〝手釜製法〟です」。茹で始めると、辺り一面、香ばしい匂いでいっぱいになった。 5分ほどで一気に茹で上げたら、ザルに上げ水を切り、干し場へ運ぶ。「温度や湿度、風や天気によって調整しながら、30分から1時間ほど乾かします」。天日乾燥により保存性が増すが、それだけでなく、「シラウオはつるっとした食感にしたいので短めに。シラスは長めに干して、うま味を凝縮させます」と、仕上がりの風味まで計算に入れている。 干し場では、茹でたてのシラウオから立ち上る、うま味を携えた湯気の香りが漂っている…食欲が頂点に達したタイミングで、伊藤さんがそのシラウオを試食させてくれた。シラスではなかなか味わえない、ふっくらとした身の弾力感。咀嚼する度にジュワッと滲み出るうま味。「一番おすすめの食べ方は〝そのまま〟」という伊藤さんの言葉に納得である。 「加工販売までするのは大変ですが、お客さんにおいしかったと言ってもらえて励みになります」と語る伊藤さん。現在、地域でシラウオ漁を行う船は約20隻在籍しているが、高齢化で稼働していない船もある。そのため伊藤さんは、消費者と繋がる在り方を地域のモデルケースにし、漁業の魅力を育てたいと考えている。「いい魚がいるのに担い手がいなくなってしまうのはもったいないですからね」。地域伝統の味に、未来への想いも込める。
(取材・文:沼尻亙司、撮影:織本知之)

1.午前中に水揚げしたシラウオを真水で洗う 2.塩を入れた釜で茹でる。ダマにならないよう優しくかき混ぜ、アクを丁寧に取り除く 3.で上がったシラウオをザルに移し水を切る 4・6.干し場に広げて天日干しに 5.ムラなく乾かせるよう、身崩れに気をつけながら三又のヘラで平らにならす。干し終わったら粗熱を取り冷凍に。冷凍保存により通年味わえるようになったが、近年、漁獲量が激減し、販売量が限られているのが悩みの種である
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定休日 無休(荒天時休み)
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販売・お取り寄せ ●販売箇所/左記店舗のほか、道の駅季楽里あさひで販売 ●お取り寄せ/ECサイト(食べチョク・ポケットマルシェ・産直アウル・BASEなど)や電話で受付
※2023年4月号に掲載
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